コロナ禍でレストランやホテルが営業自粛した影響で出た食肉の在庫を、どうさばけばいいのか。愛知県名古屋市港区の精肉卸会社「丸三食肉」は、個人客にも販売チャンネルを広げようと「LINE市場」を開設した。ポスト・コロナも見据え、生き残りをかけた販路拡大に若手社員が中心になって取り組む。
「牛テール カット」「愛知県産豚スペアリブ」「US（米国）産牛タン先」。LINE市場で紹介されるおすすめは、なかなか手に入りにくい部位の肉が並ぶ。佐藤剛社長（51）は「スーパーや小売店でも買える商品だと価格競争になってしまう。精肉卸ならではのプロが使う肉をお値打ちで提供したいと考えた」と話す。
LINE市場は、お友達登録した個人客や飲食店、小売店におすすめのお肉（冷凍）を毎週紹介。直接やりとりし、通販サイトで直販する仕組み。個人客は配送（有料）してもらうか、卸センターまで取りに行く。お友達登録は1千件以上ある。
LINE市場に乗り出したのは、コロナ禍によるダメージがきっかけだった。取引先の9割を占めるホテルやレストラン、結婚式場、飲食店が休業や時短営業になり、注文のキャンセルで売れ残った冷凍肉を在庫で抱えることになってしまった。
「大規模な宴会や結婚式がキャンセルになった影響が大きい。精肉卸はカットやスライスといった加工が必要になるので、仕入れに小回りがきかない。レストランやホテルで『いらない』といわれた肉は結局、在庫にせざるをえない」と佐藤社長は嘆く。
そこで目をつけたのが、個人客への直販だ。外食できなくなり、家で食事をする機会が増え、家庭でのすき焼きやしゃぶしゃぶの需要は大きい。
ただ、ネット販売のサイトは…
LINE市場に並ぶテールやタン先… コロナ禍逆手にレア部位の肉を - 朝日新聞デジタル
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