今年4月に(公財)日本食肉流通センターが取りまとめた「部分肉規格に関する報告書」によると、部分肉規格の変化について10年前と比べて「得意先により規格の多様化が進んだ」「製造する部分肉の分割数が多くなった」との回答(牛部分肉製造の80事業所から155件の回答)が9割に迫っていたそうです。また、取り扱っている規格数(カットの方法)が21種類以上あるという事業所は7割を超え、枝肉半丸を51個以上に分割している事業所は2割ありました。
これは、スーパーなど精肉を作る需要者がより使いやすい規格を求め、それに応えて牛部分肉製造事業所が努力してきた結果だと思います。ただ、それがあまりにも細分化されて複雑になり、牛部分肉製造事業所の対応が追い付かないところまで来ているのではないかと危惧(きぐ)されています。
同センターの報告書は最後に次のような内容でまとめています。「2002年に当センターが作成した『牛・豚部分肉コマーシャル規格』は小分割規格の「基本の型」として一定の評価があるので、それを部分肉製造者・需要者双方から広く認識・普及されるよう努めて、本来の目的である食肉流通の合理化に寄与できれば幸いです」。
この目的に向けて、同センターは現行の規格書や動画などを刷新し、新たなコマーシャル規格普及資材を制作するそうです。新しい規格書・動画が出来上がったら、それを活用して牛肉の規格をある程度統一化できたらいいと思います。
公益社団法人全国食肉学校
総合養成科第23期卒業
専務理事学校長
小原和仁
【お肉のコラム】(50)牛肉の部位 なぜ増えている - 日本農業新聞
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