新製品を日本で発表したアイロボットのコリン・アングルCEO。
撮影:小林優多郎
アイロボットは9月12日、ロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」の最新機種と、同社としては初のカテゴリーとなる空気清浄機「クラーラ(Klaara)」をグローバル発表した。
日本における各製品の発売予定日と直販価格(いずれも税込)は以下の通り。クラーラに関しては日本市場先行発売となる。
- ルンバ コンボ j9+……9月22日発売、19万9800円
- ルンバ コンボ j9+ SD……9月29日発売、16万9800円
- ルンバ j9+……9月22日発売、13万9800円
- ルンバ j9……9月22日発売、10万9800円
- クラーラ p7 Pro……10月20日発売、16万9800円
各製品の特徴と、同社史上初となる空気清浄機の販売地域としてなぜ日本を選んだのか。
発表に合わせて3年ぶりに来日したアイロボットのColin Angle(コリン・アングル)CEOに新製品と、2022年に発表されたアマゾンへの売却の真意を直撃した。
最上位モデルでは「自動給水機能」にも対応
ルンバ j9シリーズ。いずれもロボット掃除機の「掃除機」としての機能は共通で、水拭きやクリーンベースの機能に差がある。
撮影:小林優多郎
まずは、製品の特徴を紹介する。同社の看板製品であるロボット掃除機・ルンバについては今回、上位モデルの中でも前面のカメラセンサーで部屋のコードやペットのフンなどの障害物を回避できる「jシリーズ」が刷新された形だ。
基本的な吸引力もルンバiシリーズと比べて、2倍にアップ。カーペットを認識して吸引力を上げる「カーペットブースト」も搭載している。
ルンバ コンボ j9+のクリーンベースは、約60日間分のゴミと約30日間分の水を溜めておける。
撮影:小林優多郎
特にj9の中でも最上位にあたるコンボ j9+については、清掃に加え、水拭きのための自動給水機能に同社製品の中では初めて対応している。
また、コンボ j9+およびコンボ j9+ SD(日本限定モデル)については、水拭き機能も強化。同社の水拭きロボット「ブラーバ(Braava)」のような、前後に動きながら拭き掃除をする「スマートスクラブ」にも初めて対応する。
j9シリーズ4機種に共通する新機能としては「ダートディテクティブ」も挙げられる。
ダートディテクティブは、従来機でも搭載していたゴミや汚れの多い場所を検知する「ダートディテクト」機能の発展系になる。
j9シリーズはカメラセンサーなどで部屋や障害物を検知できるが、ダートディテクティブの新要素としては、これまでの清掃履歴とこの部屋のマッピング情報を組み合わせて、汚れているだろう部屋を予測し最適な順番で清掃プランを提案する。
前面のカメラセンサーによって80種類以上の障害物を認識できる。
撮影:小林優多郎
j9シリーズの中での主な新機能の違いを整理すると以下の通り。基本的には名前に「コンボ」が付いていれば水拭き対応機、「+(プラス)」が付いていればクリーンベースが付いている。
- ルンバ コンボ j9+……ダートディテクティブ、スマートスクラブ、クリーンベース(自動ゴミ収集+給水)
- ルンバ コンボ j9+ SD……ダートディテクティブ、スマートスクラブ、クリーンベース(自動ゴミ収集のみ)
- ルンバ j9+……ダートディテクティブ、クリーンベース(自動ゴミ収集のみ)
- ルンバ j9……ダートディテクティブ
日本先行販売の空気清浄機「クラーラ」
クラーラ p7 Proは3色展開。
撮影:小林優多郎
ルンバはどちらかといえば既存機種のアップデートとなるが、空気清浄機「クラーラ」は完全な新製品だ。
クラーラ p7 Proの特徴をまとめると以下の通りで、ルンバでも培われた密閉構造と連携機能が競合機種との差別化ポイントになる。
フィルターは一体型で、層ごとに個別に清掃・交換ができない。フィルター部だけの重さは5kg弱。
撮影:小林優多郎
- 継ぎ目のない密閉型ボディーと、3層からなる一体型フィルターにより清浄前の空気が拡散しにくい。
- フィルターの推奨交換時期は年1回(フィルターの直販価格は2万9800円税込)。
- 吸気は本体下部、排気は本体上部から。
- 室内の空気のモニタリングは毎秒10回。
- ファンのスピードは基本はオートだが、6段階から選べるほかスリープモードも用意。
- ルンバと同じアイロボットアプリで操作可能。GoogleアシスタントやAmazon Alexaにも対応。
- ルンバ連携機能により、クラーラのある部屋でルンバが清掃を開始するとクラーラのファンスピードが自動でアップする。
- 適用床面積は40畳、8畳あたりの清浄時間は約7分(公称値)。
- 最小運転音は33dB、最大は65dB(いずれも公称値)。
クラーラの断面図。下から「プレフィルター」「カーボンフィルター」「HEPAフィルター」。これによりアイロボットは「汚染物質、花粉、カビ、ウィルスを99.98%除去できる」と話している。
撮影:小林優多郎
今回はルンバもクラーラもグローバル同時発表だったが、普段アイロボットはアメリカなどで新製品を発表し、日本ではその後に展開することが多かった。
特にクラーラに関しては、日本先行販売(他の地域での販売予定は未定)となっており、アイロボットとしてかなり日本市場へ力を入れていることが明白だ。
クラーラを披露するコリン・アングルCEO。
撮影:小林優多郎
日本重視の姿勢についてアングルCEOは「日本は(アメリカに次いで)2つ目に大きな市場」であるとし、「過去に新製品を出した時にさまざまな学びが得られたから」と述べた。
また、アングルCEOは「アイロボットが真剣に空気清浄機に取り組んでいることを示すためにも、パワフルな製品を打ち出すことを重要視した」「日本の消費者は質の高い空気清浄機を高く評価してくださる素地がある」と述べ、アイロボットの“まずは高価格帯製品から”という販売戦略と、花粉やアレルギーに対する意識の高さが日本が他国よりも高い点がマッチしていると説明した。
アイロボットは、今回のクラーラ p7 Proを皮切りに、今後も空気清浄機の新製品をリリースする計画で「今後長きに渡りコミットメントしていく」(アングルCEO)としている。
約20万円の新型ルンバと、初の空気洗浄機を発表。アイロボットCEO「日本は高い質を評価してくれる」 - Business Insider Japan
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