米国疾病対策センター(CDC)が2023年7月28日付けで発表した最新の研究によると、米国では2010年以降、マダニにかまれたことで肉アレルギーを発症したと疑われる症例が大幅に増えている。しかも症例のいくつかは、このマダニが少ないとされている州で発生しているという(編注:日本でも疑い例や、マダニが媒介する日本紅斑熱が多い島根県の一部で肉アレルギーの患者が多いという報告などがある)。
マダニにかまれると、なぜ肉アレルギーになるのだろうか?
「あなたは森を散策し、マダニはウシやその他の哺乳類の血を吸っています」と米国テネシー州にあるバンダービルト大学附属病院のアレルギーと免疫の専門医コスビー・ストーン氏は説明を始めた。「そうやってアルファガルを持ったマダニにかまれると免疫が活性化します」(参考記事:「【動画】マダニは「飛べる」と判明、翅はなく跳べもしないのに」)
アルファガル(α-Gal)と聞くと何か得体の知れないもののような印象だが、これは糖の一種である「ガラクトース-アルファ-1,3-ガラクトース」の通称だ。マダニにかまれてアルファガルが人の体に入ると、免疫系がアルファガルに対する抗体を作り、その後、アルファガルを戦うべき敵と見なすようになる。
これがアルファガル症候群で、多くの場合、この病に気付くのはアルファガルが豊富に含まれた獣肉を食べたあとだ。なお、安定剤としてゼラチンが添加されている一部の医薬品にもアルファガルは含まれている。
どんな症状?
「肉を食べてもアレルギー反応はすぐには出ません」とストーン氏は言う。そのため自分の症状がアレルギー反応によるものだということに気付かない人もいるという。
マダニにかまれ肉アレルギーに? 米国で急増、日本でも報告 - ナショナル ジオグラフィック日本版
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