「代打清原」で103年ぶりの扉を開けた。慶応(神奈川)が沖縄尚学に逆転勝ちし、準優勝した1920年(大9)以来3度目の4強進出を決めた。今大会屈指の好投手、東恩納蒼投手(3年)を6回に攻略。清原勝児内野手(2年)の代打出場を号令に、四球を挟む6連打など打者一巡の猛攻。甲子園全体を味方に付け、4番加藤右悟外野手(2年)が走者一掃の逆転二塁打を放ち、大量6点のビッグイニングをつくった。21日の準決勝は、第2試合で土浦日大(茨城)との関東対決となった。

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清原がビッグイニングの呼び水となった。代打で6回先頭の打席に立ち、「すごい歓声をいただいて、本当に球場全体に応援していただけていると感じた」と振り返った。投ゴロに倒れ、打者一巡で回ってきた2度目の打席は三ゴロだった。森林貴彦監督(50)は「彼の期待感とか、空気を変える役割はある。結果は出ませんでしたが、6回のチームの反撃にはつながったと思う。間接的に逆転劇に貢献してくれた」と目を細めた。

前日18日は父和博氏の56歳の誕生日。勝児は「おめでとう」と祝福の電話をした。「『頑張ってこい』と言われたので、今日は1本打ちたかった。次は打てるように頑張ります」と夏の甲子園初安打を誓いながら、「優勝することが一番の恩返し。もっと成長して、あと2勝したい」と、最高のプレゼントを贈るつもりだ。