世界では戦争や有事の危機、国内では政治家や著名人への襲撃事件が相次ぐ。不穏な空気が漂う中、自由にみること、きくこと、はなすことが遮られていないか。記者が各地を歩いた。
演説会場の周辺は、張り詰めた空気が漂っていた。
衆参補選の投開票前日の22日、千葉県の東京メトロ南行徳駅前。
柵に囲まれた聴衆スペースの入り口で、警察官が金属探知機を手に身体チェックや荷物検査に追われていた。警察犬も行き来した。
首相の岸田文雄と候補者は、選挙カー上でマイクを握った。配置された警護員らが、1千人以上の聴衆や通行人に目を光らせた。
演説を聞いていた50代女性は「厳重な警備は仕方ない。政治家との距離が遠のくという意見もわかるが、テロで死んでしまったら大変だから」と漏らした。
その1週間前、岸田は和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で襲撃された。演説の始まりを待つ間、足元近くに投げ込まれた筒状の物体が爆発。
威力業務妨害容疑で、兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)が現行犯逮捕された。28日現在、黙秘しているという。
元首相の安倍晋三が奈良市で殺害された事件から9カ月余り。再び政治家が街頭演説の場で襲われた。
安倍の事件後、要人警護の運用を見直して態勢を強化した警察庁は、演説会場での積極的な職務質問や所持品検査、警察官の配置増強を都道府県警に指示した。
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「最も恐れていたテロの模倣…
襲撃の連鎖がもたらす「戦前」の空気 政治家へのヤジは「迷惑」か:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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