鯨肉の消費拡大に向け、官民が新たな取り組みに乗り出している。捕鯨大手「共同船舶」(東京)は来月半ばまでに、鯨肉や加工品を購入できる無人の店舗を東京などに4か所開設。水産庁は2年後をめどに捕獲枠の拡大を目指す。日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退して今年で5年目。捕鯨文化を守るため、まずは国内消費量を増やしていく考えだ。(森田啓文)
テスト販売
京浜急行
「父は竜田揚げを懐かしそうに食べ、高校生の長男はしょうゆ味のステーキを気に入ってくれたので、また買いに来ました」。6日、同ストアを訪れた大田区の主婦(43)はそう話し、自販機で商品を購入していた。価格は税込み1000~3000円と「やや強気」の設定だが、営業を担当する
1月中に東京と横浜・元町で計3店、2月半ばには大阪・梅田でも1店が正式オープンし、霜降りの希少部位「尾の身」の刺し身も売り出す。同社は売れ行きも見ながら、今後5年で100店舗ほどの全国展開を予定している。
IWC脱退
鯨肉はたんぱく質や鉄分など栄養価が高く、食糧難にあえぐ終戦直後の日本の食卓を支えた。農林水産省の統計によると、国内の鯨肉消費量は1962年度には23・3万トンに達し、牛肉(15・7万トン)や鶏肉(15・5万トン)を上回っていた。
ところが乱獲で鯨が激減し、資源管理を行うIWCは80年代、商業捕鯨モラトリアム(一時停止)を採択し、発効。食文化も変化し、鯨を食べる習慣は急速に失われた。2000年代に入って反捕鯨団体の妨害や抗議が激化したこともあり、捕鯨関係者は「トラブルを懸念し、今でも取り扱いをためらう小売店がある」と話す。
クジラ肉のお求めは自販機でどうぞ…食文化維持へ捕鯨大手、無人店舗4か所開設 - 読売新聞オンライン
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