作家の落合恵子さん(77)の講演会が21日、佐賀市文化会館で開かれた。母親を介護した体験を交え、これからの生き方について語った。
落合さんは「いのちの感受性」をテーマに講演。認知症の母を在宅介護したことについて「仕事中心に暮らしてきたが、母と触れたいと願った。そのために、仕事が来なくなってもそれまでと思った」と当時を振り返った。母が好きだったという絵本をいくつもそらんじながら「母の反応を見たくて読んでいた」と語った。
母の部屋に花を飾った際、下に落ちていた黒い粒を見つけた落合さんが指に付けなめると、虫だったことがあり、それを見た母が「ふふふ」と笑ったエピソードなどを紹介。「認知症だから分からないんじゃない。温かかったり、きりきりしていたり、空気が分かる。私たちにできるのは、心地よい空気をつくっていくこと」と提言した。
最後に「年を重ねるほど、自分の弱さがいとおしく、自分以外の人の弱さをいとおしく感じるのではないのだろうか。大事なのは何になるのではなく、あなたがあなたになっていくこと」と締めくくった。
県長寿社会振興財団が、シニア世代にセカンドライフとして、介護の取り組みを提案する事業の一環として行った。(福本真理)
介護体験交え「心地よい空気を」 作家の落合恵子さん講演 | まちの話題 | 佐賀新聞ニュース - 佐賀新聞
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