美村里江のミゴコロ
食べ物の好き嫌いはないが、「これは今の体調に合った」というものに出合えると、大変うれしい。
仕事で訪れた北海道・旭川で、有名なラム焼き肉のお店へ行った。日本の羊肉事情をざっくり書くと、国産は1%にも満たないそうだ。そして輸入羊肉の需要は高まっているものの、輸入量は減少傾向。コロナ災禍の影響と、米中との競争の都合であるらしい。
さておき、国産というだけで貴重な羊肉を、一度も冷凍しない新鮮な状態で食べられる名店。羊が苦手だった人も概念が変わってしまうおいしさらしい。少し前に三浦綾子さんへ没頭し、前夜は勉強しつつホテルで持参のパンをかじって済ませたが、マネジャーたちの絶賛を聞いて我慢できなくなったのだ。
撮影が早く終わり、予約はないものの行ってみると、タイミングよく数分待っただけで案内していただけた。そしてラム肉は噂以上の味。タレどころか、塩も何もつけずに食べてもお肉の味だけで十分幸せなおいしさ…。
さらに「すごいな」と思ったのは、メニューに載った写真通りの商品が運ばれてくること。その肉が全て冷たくなく、焼くのに適した温度に管理されているのだ。
人気焼き肉店は商品の回転が速いので、解凍中のお肉が出てくることがある。それでもおいしいのだが、やはり焼くのに適した温度というのがある。こんな満席でもそれをキープしているとは…。バイトの若い子たちの振る舞いも含め、見事なお店であった。
おいしさだけではない状態で気分良く帰り、少しおなかがこなれてからお風呂に入って寝よう、と考えていた。
しかし! 絶品ラム肉は体内に入ってからも優秀であった。妙に元気になって頭がさえてしまい、翌日の予習に加え、先々締め切りの原稿3本の執筆までやり遂げてしまった。
大いに達成感を感じつつ、翌日の寝不足を心配して寝たのだが、起きてみるとクマもなく肌も調子が良く、体調は万全そのもの。結局翌日も一日中、しっかり元気に撮影を終えたのだった。私のこの日の体調に、ラム肉がマッチしたのは間違いない。
ちなみに、撮影中のお弁当も素晴らしかった。野菜はもちろん、クマザサを食べて育った「大雪さんろく笹豚」など。ご用意くださった現地スタッフの心配りも含め、おいしい土地の記憶となった。
【美村里江のミゴコロ】ラム肉パワー恐るべし - iza(イザ!)
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