絵を描く子どもたち。窓は十数センチ常時開けられ、空気清浄機や扇風機が稼働する=鹿児島市の中洲第1児童クラブ
22日昼すぎ、鹿児島市の中洲小学校内にある中洲第1児童クラブ。小学生34人が図鑑をめくりながら、魚釣りゲームに使う絵を描いていた。約60平方メートルの室内は扇風機と小型サーキュレーターが計3台、空気清浄機5台が稼働している。冷房も入っているが、出入り口は常に全開、窓は十数センチずつ開けられていた。
夏休みに入り、預かる児童は最大50人以上に増え、一緒に過ごす時間も長くなった。井上智子主任支援員(59)は「施設の性質上、密集、密接を完全に防ぐのは難しい。密閉だけでも避けるため窓は全開にしたいが、すぐに熱気がこもり熱中症のリスクが上がる」と悩みを漏らす。スイカ割りや水鉄砲など屋外の日陰で遊ぶイベントを多く計画しているという。
0〜5歳の86人を預かる小宿保育園(奄美市)は、全6クラスにCO2濃度計を置く。数値が高くなると機器の表示が青から黄、赤色に変わり、担任の保育士がそれを目安に空気を入れ替える。大津幸久園長(62)は「こまめな換気だけでなく、扇風機や除菌機も使っている。できる限りの対策を尽くしても感染の不安はある」と明かす。
政府の分科会は今月、保育所や高齢者施設での効果的な換気の要点をまとめた。機械換気が十分できない場合、室温18〜28度、湿度40〜70%を維持できる範囲内で、できる限り2方向の窓を常時開放するほか、換気扇や空気清浄機の使用などの検討を求めている。
県感染症チームの一員で、鹿児島大学病院感染制御部の川村英樹特例准教授(46)は「園児のマスク着用が難しいことを考えれば、保育所のような環境は換気の重要性が増す。窓の近くで扇風機を使って空気の流れをつくり、換気効率を上げることも有効。室内温度を見ながら無理のない範囲で換気してほしい」と話す。
その上で「換気だけで感染が防げるわけではなく、あくまで感染対策の一つ。密集、密接を避ける取り組みを併せて意識することが重要だ。体調不良時には登園、出勤しない『持ち込まない対策』も心掛けて」と呼びかけた。
窓開けて冷房、CO2濃度計設置…児童クラブ、保育施設 換気対策に腐心 専門家「空気の流れつくることが重要」 鹿児島県内 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞
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