Twitterの投稿内容をもとに「日本の空気感」が測定できる(写真:momo/PIXTA)
新型コロナウイルスの流行、ロシアのウクライナ侵攻、日用品の値上げラッシュなど、日本人の価値観を大きく変える出来事が起こっている。はたして今の日本社会は、どのような「空気感」になっているのだろうか。怒っているのか、悲しんでいるのか、前向きなのか。そんな「空気感」を効果的に測定することができるようになった。
従来、人々の考え方の変化を把握するためにはアンケート調査などを実施する必要があった。この方法だと時間がかかるし、同じことを定期的に調査していなければ、変化については把握できない。
抽象的な感覚を捕捉する
また「ウクライナ侵攻についてどう思うか」など、個別の事象に対する意見は調査できるが、今「落ち込んでいるのか」「前向きなのか」など、抽象的に個人の感覚を調査することは難しい。この抽象的な感覚こそが「空気感」であり、従来のアンケート調査などでは把握しにくいのだ。
しかし、近年、多くの人が利用するようになったSNSでの情報を活用することで、個人の考え方などを把握することができるようになってきた。野村総合研究所(NRI)では、Twitterの投稿内容の変化をもとに「日本の空気感」について測定した研究成果を発表した(注:2022年3月30日発表 NRIニュースリリース)。本稿では、空気感の測定方法を紹介するとともに、具体的な測定結果のデータから、日本の空気感の将来像を展望してみる。
はじめに、「日本人の空気感指数」の測定結果を整理したものが以下の図だ。空気感を、活気・混乱・落ち込み・怒り・緊張・疲れの6指標で表している。
過去の変動を見ると、ところどころで「緊張」の指標が飛び跳ねている。これは地震や台風などの自然災害が影響しているためだ。直近では長引く新型コロナウイルスの影響で「疲れ」指標が高まっていることなどがわかる。また、長期的には「活気」指標は右肩上がりで推移しており、長い目で見ると、日本社会はポジティブな考え方で推移してきたと言えるだろう。
SNSで測定「空気感指数」に見る日本の心配な現状 | 国内経済 - 東洋経済オンライン
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