世界で初めて空気からダイヤモンドを作った米Aether Diamonds(以下、Aether)は2022年2月17日、最高ランクのインパクトスコア96.5で「B Corp認証」を取得したと発表した。同社はB Corp認証を取得した世界で唯一の合成ダイヤモンドメーカーとなる。
B Corp認証とは、アメリカの非営利団体B Labが運営する国際的な認証制度で、社会や環境に配慮した事業活動で一定の基準を満たした企業に与えられるものだ。
今回B Corp認証を取得したAetherは、空気から優れた品質のダイヤモンドを生成している。Aetherのダイヤモンドは、地球温暖化の一因となる二酸化炭素(CO2)を大気から除去し変換して作られる世界初のカーボンネガティブダイヤモンドであり、地下から採掘される炭素源を利用しない世界初のダイヤモンドでもある。
直接空気回収(DAC)技術と炭素隔離法によって、有害なCO2を美しく価値のあるダイヤモンドに変えており、Aetherは原料となる炭素を持続可能な方法で調達している唯一のダイヤモンドブランドだとしている。
Aetherのダイヤモンド製法は、4つの段階を経てで行われる。まず、空気からCO2を回収する。大気採取装置で空気を吸引すると、専用フィルターに空気中のCO2が集まる。次に、回収されたCO2を合成して、ダイヤモンドを成長させるために最も適した原料である炭化水素にする。
3段階目では、炭化水素原料をダイヤモンドの成長に最適な環境を作り出す強力なリアクターに入れる。炭素が完璧に整列して結晶形となり、ダイヤモンドは1度に原子を1つずつ成長させていく。最高の完成度になるまで3~4週間かけてダイヤモンドを成長させ、最後に仕上げとなる。未加工のダイヤモンドは熟練の職人の元に送られ、手作業でカットと研磨が施され、ジュエリーに加工される。
Aetherは、このダイヤモンド1カラットにつき、大気中から20トンのCO2を除去するとし、事実上、平均的なアメリカ人のカーボンフットプリント(二酸化炭素排出量)1年3カ月分を相殺すると述べている。また、合成ダイヤモンド製造に用いるエネルギーは持続可能な資源から得ており、輸送や物流で発生するCO2排出による影響(カーボンインパクト)は、追加の炭素クレジットで全て相殺している。
Aetherのダイヤモンドは、世界最大の独立した鑑定機関であるIGI(International Gemological Institute)により認定されており、採掘される天然ダイヤモンドと同じ水準を保っている。
記事執筆時点で、Aetherのダイヤモンドは同社の公式Webサイトでアメリカ国内限定で消費者向けに直接販売されており、2022年には卸売販売を展開する予定だ。
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空気中のCO2からカーボンネガティブダイヤモンドを作る――持続可能な合成ダイヤモンド製造事業でB Corp認証を取得 - fabcross for エンジニア
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