室内の観葉植物は空気をきれいにする
観葉植物は、家やオフィスの空気を浄化してくれるようだ。
英バーミンガム大学のChristian Pfrang氏らが、一般的な観葉植物であるスパティフィラム、ドラセナ・ゴールドコースト、ザミオクルカスのいずれかを室内に置くことで、二酸化窒素(NO2)と呼ばれる大気汚染物質の濃度が低減したとする研究結果を報告した。
研究の詳細は、「Air Quality Atmosphere & Health」2022年3月号に掲載された。
NO2は室内、室外を問わず、代表的な大気汚染物質であり、NO2への曝露は、深刻な呼吸器疾患や肺機能の低下、気道の炎症をもたらし得る。
Pfrang氏らは今回、NO2が含まれる試験チャンバー内にそれぞれの植物を1鉢置き、NO2がどの程度除去されるのかを調べた。
チャンバー内のNO2濃度は、交通量の多い道路に面したオフィス内での濃度(100ppb)に調節した。
チャンバー内の明るさは、「明かりなし(0lx)」と「一般的な室内の明るさ(500lx程度)」の2通りとし、後者はさらに、植物の培地が湿った状態(含水率30%超)と乾燥した状態(含水率20%未満)の条件で検討した。
その結果、植物を1時間程度チャンバー内に置くと、置かれる環境と植物の種類を問わず、NO2濃度がさまざまな程度で低下することが明らかになった。
NO2濃度が最も低下したのは、一般的な室内の明るさのチャンバー内に培地を湿らせた状態にしてドラセナ・ゴールドコーストを置いた場合であった。
次に、さまざまな換気レベルの小規模および中規模のオフィスで、この結果がどの程度の効果に相当するのかを推定した。
その結果、大気汚染レベルが高く、換気状態の悪い狭いオフィス(15m3)では、ドラセナ・ゴールドコーストを5鉢置くことでNO2濃度を19.5%低減できる可能性のあることが分かった。
より広い空間(100m3)ではNO2濃度の低減率は下がるものの(3.5%)、鉢数を増やすことで効果を高められる可能性があるという。
Pfrang氏は、「全く異なる3種類の植物を選んだが、いずれも大気中のNO2を除去する能力は似通っていた」と話す。
ただし、今回の研究では、これらの観葉植物が大気中のNO2を除去する機序は明確になっていないという。
これまでの研究では、室内の観葉植物が二酸化炭素(CO2)を取り込む能力は、「夜間か日中か、土の水分量がどのくらいかといった環境因子に強く依存する」ことが指摘されている。
しかしPfrang氏によると、観葉植物が気体を除去する機序は、気体の種類により異なる可能性があるという。同氏は、「観葉植物は葉の気孔からCO2を取り込むが、われわれは、それと同じプロセスでNO2を吸収するとは考えていない。長時間の実験でも、植物がNO2を再び大気中に放出する兆候はなかったことから、植物が育つ土壌が関与する生物学的プロセスが存在する可能性が高い。しかし、それが何かはまだ明らかになっていない」と述べている。(HealthDay News 2022年3月10日)
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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://link.springer.com/article/10.1007/s11869-022-01171-6
Press Release
https://www.birmingham.ac.uk/news/latest/2022/03/common-houseplants-can-improve-air-quality-indoors.aspx
構成/DIME編集部
観葉植物は家やオフィスの空気を浄化する、バーミンガム大学研究報告|@DIME アットダイム - @DIME
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