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Friday, February 4, 2022

代替肉原料、新工場で生産能力5倍へ 熊本市の「DAIZ」 世界的な需要拡大に対応 - 西日本新聞

 植物由来の「代替肉」の原料を開発・生産している熊本市の「DAIZ(ダイズ)」が2023年までに熊本県内で新工場を建設、稼働させる。同社は15年設立のスタートアップ企業で、昨年工場を増床したばかり。大手スーパーや飲食チェーンなどで代替肉を採用する動きが広がるなど、世界的な需要拡大への対応を進める。

 DAIZが生産している代替肉の原料は大豆を使用しており、大豆を発芽させる際の環境を調整して肉のうま味に近づけているのが特徴。繊維状に加工し、肉のような食感になるよう工夫している。

 同社の工場は熊本県益城町にあり、昨年6月に増床した。ただ、代替肉の取引は順調に増えており、今後も需要拡大が見込まれることから、新工場の建設を決断。投資額は約30億円。生産能力は現在の5倍となる年間2万トンにする計画で、新たに約100人の雇用を予定している。

 同社は日清食品ホールディングスなど大手の食品会社や商社との資本提携も進め、会社設立以降、累計で60億円を調達。年内にさらに数十億円の調達を計画している。21年5月には米国で現地法人を設立するなど、欧米での需要増も見据え事業拡大を加速している。

 代替肉は、世界的な人口増に伴うタンパク源の供給不足や、食肉生産時の環境負荷への懸念、健康志向の高まりなどから、欧米を中心に市場が広がっており、国内でも身近になりつつある。

 イオン九州(福岡市)は20年春に代替肉を使った商品の取り扱いを始め、現在はハンバーグやから揚げなど約40種類を販売。顧客の問い合わせも増えているといい「日常の食事に取り入れたいというニーズに応えていきたい」としている。

 ハンバーガーなど大手飲食チェーンも相次いで採用。ロイヤルホールディングス(HD、福岡市)傘下のレストランチェーン「ロイヤルホスト」は、20年3月に発売したカレーに大豆由来の代替肉を使用。当初は訪日外国人の需要を想定していたが、コロナ禍でも健康志向の女性の支持があるとみており、ロイヤルHDのホテル事業や食品販売事業でも導入の可能性を検討している。

 矢野経済研究所は、植物由来の代替肉と培養肉を合わせた全世界の市場規模を推計。20年の2500億円から、25年に6700億円、30年には1兆8700億円になると予測している。 (仲山美葵)

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