照明器具製造の「フェニックス電機」(兵庫県姫路市豊富町御蔭)は、吸い込んだ空気に紫外線を照射してウイルスを除菌する空気清浄機「アルカディエアー」を独自に開発した。紫外線を活用した空気清浄機は家電業界内で開発が進み、同社製は1月から販売。既に病院や薬局などに約500台を納入した。山中茂樹常務(66)は「直接紫外線を人体に照射しないので安全」とPRしている。(井上 駿)
細菌やウイルスに紫外線を照射すると、DNA(核酸)を破壊して増殖できなくなり、不活性化させる効果がある。新型コロナウイルス対策としても期待される。
昨年6月、「アルカドラッグストア」を展開するナガタ薬品(神戸市須磨区)の中島康伸社長がフェニックス電機に開発を提案した。深刻なマスク不足の時期に、マスク製造も手掛けるフェニックス電機がナガタ薬品に商品を供給したことが縁になった。中島社長は「患者が集まる薬局や病院の待合室、飲食店などに推奨したい」といい、同社でも薬局などへの設置を進めている。
アルカディエアーは吸気口から取り込んだ室内の空気に、除菌作用が高い波長の紫外線を照射して排出する構造。兵庫県立大の高垣直尚(なおひさ)准教授(流体工学)と室内の飛沫(ひまつ)吸引実験に取り組んだ。大腸菌を試験菌とした日本食品分析センター(大阪府吹田市)の評価試験では、6畳間で1時間稼働すると、9割以上除菌できたという。
山中常務は「丈夫で長持ちなのも特徴」と説明。今後、改良にも取り組むという。価格は1台(12畳用)が11万円で、3台を接続した36畳用が40万円。
一方、紫外線を活用した空気清浄機の開発には参入が相次ぐが、フェニックス電機も加盟する日本照明工業会(東京)では、性能が十分に検証されていない製品もあるとして注意喚起している。同社TEL079・264・6052
紫外線で除菌 空気清浄機を開発「安全、丈夫で長持ち」病院や薬局に納入 - 神戸新聞
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