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Monday, January 15, 2024

かつては「犬肉ファン」が多くいたが…「犬食禁止法」が成立、韓国社会の“リアルな反応”は? - au Webポータル

 韓国で1月9日、食用目的での犬の飼育・食肉処理・流通などを禁じる特別法(犬食禁止法)が成立した。違反者には、最高で3年の懲役、または3000万ウォン(約330万円)の罰金が科される。犬肉に関係する業界を保護するため、法律の施行は公布から3年後とする猶予期間も設けられた。

【画像】美魔女という評判も…犬とたわむれる、大統領夫人キム・ゴンヒ(51)

長い歴史を誇る「犬肉文化」

 過去、1988年のソウル五輪など国際社会の視線が韓国に集まるたび、話題を集めてきたのが、長い歴史を誇る韓国の「犬肉文化」だった。東洋文庫『朝鮮の料理書』(平凡社)には、「狗肉の腸詰め」「狗肉の串焼き」「狗肉の汁」「狗肉の蒸しもの」など、朝鮮王朝時代の調理方法が詳しく紹介されている。長く、牛や豚、鶏などを十分に食べられない時代、犬肉は朝鮮の人々にとっての貴重なタンパク源として愛用されてきた。

©️EPA=時事

 ほぼ60代以上の韓国の知人たちも「ケゴキ(犬肉)は伝統的な特別食」と口をそろえる。日本でも「補身湯(ポシンタン)」という名前で知られているように、韓国では夏の暑い時期、日本の「土用の丑」にあたる「三伏」に、補身湯や参鶏湯(サムゲタン)などの滋養食を楽しむ習慣がある。また、犬肉は「美容に良い」「怪我や手術後の傷を早く治す効能がある」などとも言われてきた。

 韓国スポーツ界で働いてきた60代の知人は現役当時、夏になると記者クラブに出入りする韓国記者団を招いて犬肉を振る舞った。「食べない記者も一部いたが、たいていの記者は出席した。補身湯は、(牛の肉や内臓を煮込んだ)ソルロンタンより2~3倍高いから、記者たちも喜んで食べていた」と話す。

財界人にも「犬肉ファン」が

 犬肉は独特の臭みがあるとされ、敬遠する人もいるが、この知人によれば、評判の良い店は調理方法もしっかりしていて、臭みも全く感じないという。財界人にも「犬肉ファン」がいて、1年に1~2度、1人あたり7万ウォンくらいの高級犬肉セットを楽しんでいたという。

 もちろん、これは長い歴史があってのことで、犬肉文化を知らない外国人からみれば、「野蛮な行為」に映るのだろう。1990年代にソウル大に留学した外交官の知人は、ソウル大生から「理系の奴らは新歓コンパに犬を連れてきて、みんなで食べているらしい」という話を聞いて震え上がった。

 ソウル近郊の水原市にあった犬肉専用市場に行くと、檻に入れられた中型の食用犬が、視界に入るだけで数十匹以上いた。そこでは猫も売られていて、市場関係者から「これは漢方薬に使うから」と聞かされ、更に仰天したという。

犬食禁止法が成立するまで

 では、なぜ今回、犬食禁止法が成立したのだろうか。韓国メディアによれば、法律化の動きは文在寅政権の時代から始まった。2021年9月、文大統領が犬の食用に慎重になるよう周囲に指示。22年5月に尹錫悦政権が発足すると議論が再開された。23年6月、議員立法の提案が始まり、計8案が出そろった。23年12月、法案が一本化され、今年1月、めでたく法制化と相成った。

 大韓育犬協会など、犬肉に関係する団体は「飼育中の200万匹の食用犬をどうしてくれるんだ」と怒り狂い、犬食禁止法を推進した国会議員の落選運動を行うと息巻いたが、議員たちは超党派で圧力をはね返したという。

 この法制化を巡っては、様々な解釈が乱れ飛んでいる。間違いないのは、韓国内での「動物愛護」を巡る雰囲気の高まりだ。食生活が豊かではなかった中世から戦乱が続いた近現代にかけ、韓国では、まず人間が生き残ることが最優先されてきた。犬を「補身湯」などにして貴重な栄養源としたのが、その象徴だ。犬をペットにする習慣も、1980年代ごろまでは富裕層などに限られていた。

韓国における「ペット観」

 ところが、最近では、韓国語で言うところのペットの「位相(地位)」が確実に上がっている。韓国では長らく、ペットを「愛玩動物(エワン・トンムル)」と呼んできたが、最近では「伴侶動物(パルリョ・トンムル)」に変化した。ペットを家族の一員と位置付ける動きは数年前からあり、2020年から22年にかけての新型コロナウィルスの感染拡大で一気に加速した。

 最近でも、ちらほらと、「補身湯」の看板を下ろす食堂が出ているという。相変わらずの食糧難で、犬肉が「甘肉(タンコギ)」として珍重されている北朝鮮とは対照的な動きだ。

 韓国では犬に比べて、猫は「目が冷たい」「何を考えているのかわからない」などという冷たい評価を受けていたが、最近は猫をペットにする人も激増している。こうしたペットに対する見方が、「食べるなんてとんでもない」という声を後押ししたのは間違いない。今回、韓国メディアは、犬食禁止法を好意的に伝えた欧米メディアの報道を詳しく転電したが、国際社会の視線を気にしがちな、韓国の空気も一役買ったと言えるだろう。

「大統領の妻への忖度」という見方も…

 ただ、それでも法律まで持ち出すのは如何か、という声もある。日本の官僚の知人は「私だったら、そんな法案は立案しませんけどね」と語る。韓国の元政府関係者も「法律は、食べたら違法とはしていない。人間の食文化を縛ることへの遠慮があったのかもしれないが、それにしても、度を越しているという印象も残る」と話す。

 こうした「違和感」のためか、韓国の政界雀たちの間で、色々な「評論」「分析」が飛び交っている。中心にいるのは尹錫悦大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)女史だ。金女史は2022年の大統領選中から、愛犬と一緒にいる姿をSNSで発信するなど、ペット好きの人物だということが広く知れ渡っていた。

 最近では、2023年12月の尹大統領のオランダ訪問に同行した際、アムステルダムで動物保護団体の関係者と面会し、「犬の食用禁止は大統領の公約だ」と説明していた。韓国大統領室も犬食禁止について尹大統領の国政課題の一つに含めるなど、法制化に積極的に関わってきた。

 ここで、韓国の政界雀が騒ぐのが、「金建希女史への忖度」だ。強い夫婦愛はもちろん、実際に一緒にいる時間が長いことから、金女史の尹大統領への影響力には定評がある。

「金女史の怒り」がうわさに

 例えば、2023年4月に夫妻が訪米した際、韓国の人気グループBLACKPINKと米国のスター歌手、レディー・ガガの合同公演を巡っても、「金女史の怒り」がうわさになったことがある。「金女史は合同公演に乗り気だったのに、国家安保室が費用や日程の問題から消極的な対応に終始した。金女史は激怒し、結果的に儀典秘書官や外交秘書官、最後にはトップの金聖翰(キム・ソンハン)室長が次々に辞める事態に発展した」というものだった。

 韓国政界関係筋の1人は「常識で考えて、金女史がいちいち国政に口を突っ込むことは考えられない。でも、忖度こそが韓国の政治文化。尹大統領夫妻、特に金女史が犬の食用禁止に熱心だというのは周知の事実だ。そうなれば、自然と事務方の対応も熱を帯びるというものだ」と語る。

 また、従来、犬の食用禁止を巡っては、市民団体の影響力が強い進歩(革新)勢力に比べ、業界団体の保護などの観点から、どちらかといえば、保守勢力の慎重な姿勢が目立っていた。保守が立法化に動いた背景の一つには、「尹大統領夫妻への忠誠心」があるのではないか、という声も政界関係者から出ている。

総選挙で公認を狙う議員たち

 韓国は4月に総選挙を迎え、これから党内の公認候補選びの佳境を迎える。苦戦が伝えられる与党「国民の力」の議員たちは、保守の金城湯池とされるTK(大邱・慶尚北道)やソウルの江南区からの出馬を希望している。

 こうした選挙区の現職議員の1人は「誰も彼も、有利な選挙区での出馬を目論むから、大変だ」と悲鳴を上げる。そして、今、公認候補選びなど、党を差配する非常対策委員長は、尹大統領の検察時代の後輩、韓東勲(ハン・ドンフン)氏だ。政界関係筋の1人は「当選したい議員はみな、有利な選挙区での公認を狙って、韓氏と尹大統領のご機嫌をとりたいところだろう」と語る。

 さらに、今回の「犬食禁止法」は超党派立法だった。ただでさえ、韓国の保守と進歩は犬猿の仲だ。総選挙前なら、更にそれがヒートアップしてもおかしくないのに、超党派での合意が成り立ったことから、政界雀たちは色めき立っている。

韓国の一般社会の反応は…

 別の関係筋は「推測」の一つとして、金建希女史が輸入車ディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作事件に関与した疑惑を捜査するための特別検察官任命法案の影響を挙げる。同法案は昨年末に、野党「共に民主党」などの賛成多数で可決されたが、尹大統領が1月、再議要求権(拒否権)を行使した。同法案は国会に差し戻され、今度は国会議員の過半数が出席し、出席した議員の3分の2以上が賛成する必要がある。

「公認漏れした与党議員が造反して賛成する恐れもある一方、公認が欲しい与党議員らが野党議員に対し、特別検察官任命法案の再議決で手加減してくれるよう頼む代わりに犬食禁止法に賛成した可能性もある」と語る。

 ことほど、韓国政界とメディアはかまびすしいが、一般社会は至って冷静だという。前出の60代の知人は「韓国の政界はローラーコースター(ジェットコースター)みたいなもの。(罰則が適用される)3年先がどうなっているかなど、誰も予想がつかないからだ」と語った。

(牧野 愛博)

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