動物細胞を人工的に培養してつくりだした肉(培養肉)。サステイナブルな食材のひとつとして注目をあつめる、いわゆる“LABOミート”に対し、イタリアが出した答えは「NO」だった。
先月、イタリア代議院は培養肉をふくむ細胞性食品および飼料の生産や販売を禁止する法案を可決。EUにおいて、培養肉の生産、流通、輸入を禁止する最初の国となった。違反者には製品の没収に加え、最大で6万ユーロ(約940万円)の罰金が課せられるという。
遡ること2023年3月、同法案は農業省トップのフランチェスコ・ロロブリジーダ大臣により提案された。4月には、培養肉をはじめとする合成食品を禁止する同法案を政府も支持。
© Francesco Lollobrigida / facebook
法案可決を受け、ロロブリジーダ大臣は自身のfacebookで「健康の観点だけでなく、イタリアの生産システム、何千もの雇用、文化と伝統を守るため、今日承認された法律により、イタリアは合成食品の社会的、経済的リスクから守られる世界初の国となる」と高らかに宣言。
同国の食肉産業を守るとともにイタリア伝統の食も守られた、と氏を讃えるコメントも寄せらたようだ。いっぽうで伊動物保護団体「OIPA」は、動物福祉や持続可能性の側面から培養肉は「倫理的な代替品」だと強調。
伝統と革新、そして世界を取り巻く環境問題……。食の“リナッシメント”を培養肉ではおこさないとする政府の姿勢が明確化された今件。はたして、次なる「代替〇〇」は、かの国の首を縦に振らすことになるのだろうか?
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イタリア、欧州初となる「培養肉」生産・販売禁止へ - TABI LABO
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