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Monday, July 10, 2023

扇風機との違いは サーキュレーターの選び方と正しい使い方 - GIZMODO JAPAN

「電気代の値上がりは気になるけれど、この暑さをエアコンなしで乗り切る自信はないし、部屋干しした洗濯物がぶらさがりっぱなしなのもどうにかしたい。とにかく空気が快適な部屋で過ごしたい…!」

そんな悩みを抱える人の助けになるのが「風」のチカラ。サーキュレーターがすごく役に立つようです。

しかし、家電に詳しくない人にしてみたら「サーキュレーターって? 扇風機とはどう違うの? 本当に節約につながるの?」といろいろな疑問も湧いてきます。

今回は、そんなモヤモヤをカラリと吹き飛ばすべく、サーキュレーターについて調べてみました。

そもそも、サーキュレーターってなに?

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Image: VORNADO

circulate(サーキュレイト/循環させる)」という言葉が示すとおり、サーキュレーターの役割は、空気を循環させることに尽きます。

一般的に室内では冷たい空気は下に、暖かい空気は上に溜まりやすくなります。サーキュレーターを使って空気を部屋全体に循環させることで、室内の温度が一定になって快適さが得られやすくなり、ジメジメとこもった不快感もなくしてくれます。

エアコンの効率が上がれば電気代の節約にもつながるでしょうし、空気が循環することによって洗濯物も乾きやすくなります

サーキュレーターと扇風機の違い

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Image:Shutterstock

「風を起こす装置なら、扇風機でいいじゃない?」という意見もあるでしょう。確かに、どちらも複数の羽を回転させて風を起こす仕組みは同じです。しかし、扇風機とサーキュレーターには、目的と風の量・質に大きな違いがあります

<扇風機は人に風を直接あてて涼をとるためのもの>

扇風機は、風を人に直接あてて涼をとることを目的とした季節家電。穏やかな優しい風を広範囲に送り出すのが特徴です。

そのため、人がいつも過ごしている場所に置いたり、人の近くに移動させたりして使うことがほとんど。タイマーや首振り機能のほか、ゆらぎのある風を送ったり高さを調整したりできる仕様など、価格もデザインもさまざまです。

涼しくなったら使用の機会が減るため、収納場所の確保が必要になります。

<サーキュレーターは部屋の空気を循環させるもの>

サーキュレーターは部屋全体の空気を循環させることが目的なので、直進性の高い強い風を遠くまで送り出せるのが特徴。人に直接あてるのではなく、壁や天井に向けて使います

サーキュレーターといえば、本体のスイッチで風量の調節こそできるものの、扇風機のような気の利いた機能はないというイメージがありました。でも最近は、リモコンや高さ調節機能付きといったモデルも登場しています。

サーキュレーターのデザインは、扇風機に比べると無骨なイメージがありますが、インダストリアルデザインやガジェットが好きな人にとっては、そのプロダクトとしてのかっこ良さも魅力のようです。

サーキュレーターは夏だけでなく、冬の暖房効果も高め、1年を通して部屋の空気を快適にしておけることから、季節を問わずに使うことができます。

空気清浄やヒーターの機能がついた扇風機や、45畳用といったパワフルなサーキュレーターなどは別として、シンプルな一般的な扇風機や消費電力は30〜40W程度のものがほとんど。最強で使ったとしても、かかる電気代はあまり変わらないのだとか。

どちらにもメリットやシーンに応じた役割がありますので、まずは「何を目的に風のチカラを借りたいのか」をよく考えてみましょう。

シーン別:サーキュレーターのおすすめの使い方

次にご紹介するのは、サーキュレーターのシーン別の使い方。サーキュレーターは基本的には壁に風を伝わせて空気を循環させますが、真上にも向きを変えられるので、使い方の幅が広がります。

ここでご紹介するのは使い方の一例ですので、購入した際は、必ずメーカー推奨の取り扱い方に準じて使ってくださいね。

エアコンと併用させて電気代を節約したい!

エアコン代の節約を考えているのなら、サーキュレーターはその大きな助けになります。

先ほども紹介しましたが、冷気は下に、暖気は上に溜まります。それをサーキュレーターの風を使って空気を循環させ、部屋全体の温度差をなくすことで「体感温度」の調整が可能に。冷房の設定温度を上げても(暖房の設定温度を下げても)快適さを感じやすくなるため、消費電力を抑えつつ、冷暖房の効果が得られるというわけです。

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Image: TEPCO

エアコンにかかる電気代は1℃上がるだけでも大きく変わるそうです。TEPCOによれば、夏の冷房時の設定温度を27度から28度にした場合、年間の電気代は約940円の節約になり、冬の暖房時の設定温度を21度から20度にした場合、年間の電気代は約1,650円の節約になるとか(※)

さらに電気代の値上がりが続く今、サーキュレーターを導入するのとしないのとでは、電気代にかなりの差が生まれるはずです。

さて、肝心のサーキュレーターの使い方ですが、冷房の効率をアップさせたいときは、エアコンを背にしてサーキュレーターを置き、下に溜まった冷気を上方向に循環させるようにします。

また暖房を利かせたいときは、エアコンの対角線上にサーキュレーターを置くのがコツ。エアコンの吹き出し口から出る暖かい風を受けるようにして、停滞する暖気を循環させます。

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Image:Shutterstock

そして今の時期、「寝苦しいのはイヤだけどエアコンをつけると体がダルくなる…」という人も多いでしょう。その場合は、エアコンを消す、もしくは設定温度を高めにして、サーキュレーターを一晩中まわし続けるという方法が効果的。

寝室の壁や天井に風を向けるか、ベッドの下や床に風を這わせるようにして、「弱」で運転。そうすると、室温が高めでも寝苦しさが軽減し、冷房によるダルさも感じにくくなるそうです。もちろん、電気代の節約も期待できます。

※外気温度31度の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27度から1度上げた場合(使用時間:9時間/日)、外気温度6度の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21度から20度にした場合(使用時間:9時間/日)

エアコンのない隣の部屋も同時に快適にしたい!

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Image: IRIS OHYAMA

リビングにはエアコンがあるけれど、引き戸で仕切られた隣の部屋にはエアコンがない…なんてときに、両方の部屋でサーキュレーターの恩恵を受ける方法があります。

冷房の風を循環させたいときは、上で紹介したようにエアコンを背にしてサーキュレーターを置き、下から上に空気を循環させるようにします。さらに風を隣の部屋のほうに向けることで、隣の部屋にもうまく冷気を送風することができます。

暖房の風を循環させたいときは、エアコンのある空間の中央にサーキュレーターをセット。そして真上を向かせて風を送ればOK。部屋の上部に溜まっていた暖気に風があたることで分散されて、隣の部屋を含めた空間に暖かな空気が行き届きます。

暑いロフトや屋根裏収納に涼しい風を入れたい…

夏場の暑さといったら…。「暖気は上に溜まる」を実感する最たる場所が「ロフト」です。

冷房効果を発揮させるなら、これまで紹介したのと同様、エアコンに背を向けて置くのがおすすめ。風はロフトに向けます。

もし2台使いができるなら、もう1台はロフトに置いてこもった暑さをかき出すと効果的です。

暖房効果を高めたい場合は、ロフトに置いて風を下に向けます。もう1台あるならエアコンの下に真上を向けて置くと、暖かい空気がうまく循環します。

起床時や帰宅時、一刻も早く換気したいときは?

起床後や家に帰ったとき、手っ取り早く換気をしたときには、窓を開けるだけでなくサーキュレーターを使用しましょう。

「窓からの換気を助ける」というと、窓側にサーキュレーターを置きたくなりますが、ポイントは窓から離して、窓のほうを向けてセットすること

そうすることで、窓から入ってきた風と壁側のこもった空気が上手に循環されて換気の効率が高まります。

洗濯物を効率的に乾かして、生乾き臭にサヨナラを

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Image:Shutterstock

扇風機の柔らかな風であっても、もちろん効果は得られますが、サーキュレーターが生み出す直進的な強い風なら、洗濯物をより効率的に乾かすことができます。

コツは、洗濯物の真下から強めの風をあてること。ときどきサーキュレーターの向きを変えるか、洗濯物の位置を入れ替えるなどして、風が洗濯物にまんべんなくあたるように工夫すると、より速く乾きます。

洗濯物の生乾きのイヤなニオイを防ぐには、短時間で乾かしてニオイの原因となる雑菌を増やさないことが何より重要。サーキュレーターを使うことで、洗濯物が干しっぱなしのストレスと生乾きのニオイの両方を解決してくれるというわけです。

観葉植物の健やかな生長に欠かせない「風通し

観葉植物を健康的に育てるには、光と水、そして栄養剤が思い浮かびますが、実は風通しも大切な要素

風通しを良くすることで水を吸い上げやすくなり、根腐れの防止にもなります。その結果、生長を助けることになるのだとか。

ただし、強い風をあててしまうと逆効果。くれぐれも植物に直接あてないように気をつけましょう。

サーキュレーターが賢い選択に

知れば知るほど、この夏をともに過ごしたくなるサーキュレーター。

選び方のコツは、使いたい部屋の大きさにあったもの、もしくはそれより少し広い部屋向けのものを選ぶということ。10畳の部屋には、10畳用かそれ以上のものを選ぶことがコツになります。

実際、価格という点では扇風機よりサーキュレーターのほうが少しお高めですが、用途の幅も広く、1年を通して使えるので、初期投資もすぐに回収できるはず。

構造がシンプルで頑丈なので、1台を長く大切に使うことができて、部屋に置きっぱなしにしてもインテリアとしてもサマになるのもいいですよね。

「あのとき、いい買い物をしたなぁ」。そう思わせる1台をぜひ選んでみてください。

source: VORNADO, IRIS OHYAMA, TEPCO

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