保坂知晃
3月まで町職員だった女性の手や肩を触るセクハラ行為を認めた岐阜県池田町の岡崎和夫町長(75)。被害を訴えた元職員は4日に会見を開いて、「町長のセクハラを問題として捉えること自体がタブーという同調圧力があった」と話した。町内部では相談できず、外部の労働組合に頼らざるを得なかったと打ち明けた。
「当時は役場に入職したばかりで周りに相談することもできず、とにかく耐えるしかなかった」。セクハラ被害を訴えた元職員の30代女性は時折、声を詰まらせながら振り返った。
相談を受けた「岐阜青年ユニオン」は、第三者委員会を設置して事実を調査することなどを求める要求書を町に提出した。
要求書によると、元職員は町長室に出入りしていた2013年4月~14年3月、岡崎町長から「手を見せて」と少なくとも5回以上は言われたほか、手や腕、肩、尻を触られたと訴えている。
岡崎町長も会見を開き、元職員の手を触ったことなど、指摘された一部のセクハラ行為を認めた。元職員が町内部に相談できなかったことを問われると、「町長を20年間やっていて、訴えることができない雰囲気だったということだと思う。私が圧力をかけたことはないが、気楽に相談できる態勢づくりをする必要があると思っている」と話した。
元職員は今年3月に退職した。「町長を批判して、ほかの職員からの非難の的になることが怖く、在職中は訴えることができなかった」とも話した。
岡崎町長は、町助役を経て03年の町長選で初当選し、現在6期目。半世紀以上にわたって町行政に関わっている。(保坂知晃)
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「耐えるしか」元職員が語る役場の空気 岐阜県池田町のセクハラ被害:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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