物質・材料研究機構の万代俊彦主任研究員らは、マグネシウム金属電池を空気中で製造する技術を開発した。金属マグネシウムを亜鉛被膜で保護して酸素との反応を防ぐ。製造装置を窒素やアルゴンなどの不活性ガスで満たさなくても製造でき、生産コストを下げられる。マグネシウム電池は現行のリチウムイオン電池(LiB)よりもエネルギー密度を高められると期待されている。
まず金属マグネシウムが酸素と反応するメカニズムについて調べた。電解液とマグネシウム電極、ガス種を組み合わせて分析した。電解液に溶け込んだ溶存酸素が、気液固体の三相境界面で不動態被膜を形成すると推定された。
そこで亜鉛被膜で酸素との接触を防いだ。ジエチル亜鉛エーテル溶液で処理すると酸素遮断性能の高い被膜を得られた。このマグネシウム電極は乾燥空気中で電気化学反応が5時間継続する。
実際に電池を組むと、乾燥空気中で作製した電池と不活性ガス中で作製した電池が同等の放電特性になった。マグネシウム金属電池を実用化する際に設備投資を抑えられる可能性がある。
マグネシウム金属電池、物材機構が空気中で製造する技術を開発した意義|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 - ニュースイッチ Newswitch
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