シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、同校の食物科学技術(FST)プログラムの研究者らが植物由来タンパク質に代わる、より健康的でおいしく、環境に優しい菌類由来の食品を培養する技術を開発したと発表した。8月29日付け。
(提供:NTU)
この製品に使用される菌類は、栄養価が高い一般的食品廃棄物をもとに培養されるため、タンパク質・鉄・アミノ酸といった必須の栄養素が豊富である。このため、一般的に使用されているエンドウ豆・ひよこ豆・小麦グルテン・大豆由来の代替肉よりも栄養価が高い。また大豆の皮や小麦の茎、ビール醸造用穀物などの、農業や食品・飲料産業の副産物および廃棄物の再利用の機会ももたらす。
菌類培養方法の規模を拡大するために、博士課程学生であるマルシャ・サマラシリ(Malsha Samarasiri)氏を含むFSTプログラムの研究チームは、ニュージーランド・フード・イノベーション・ネットワーク(New Zealand Food Innovation Network)の一部であるザ・フードボウル(The FOODBOWL)と共同研究している。ニュージーランド・フード・イノベーション・ネットワークは、ニュージーランド政府が支援するオープンアクセスの食品加工施設全国ネットワークで、食品企業およびスタートアップ企業が、新製品の技術革新・規模拡大・商業化を世界的に行うことを手助けする。
NTUのFSTプログラムの菌類培養技術を自社製品に導入しているニュージーランドのスタートアップ企業の一つが、食物由来肉製造企業であるオフピステ・プロビジョンズ(Off-piste Provisions)社である。スタートアップ企業に助言を与えるほか、FSTプログラムの研究者達は、より栄養価が高く、食品廃棄物を減らす製品の開発を目標とし、2024年までには研究成果を商品化したいと考えている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
環境に優しくおいしい菌類由来肉を開発―植物由来肉の代替へ シンガポール|ASEAN科学技術ニュース|Science Portal ASEAN ASEANの科学技術の今を伝える - Science Portal Asia Pacific
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