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Wednesday, August 3, 2022

食べられず処分される「オス牛」がいる日本の問題 - 東洋経済オンライン

日本では乳用牛として飼育されているブラウンスイスのオスは、乳がでないため価値がないとして処分されることが多い(写真: MakiEni /PIXTA)

曲がったキュウリや日焼けしてしまったナス、形の悪いトマトなど、見た目が悪い、規格に合わないからと破棄されていた野菜も、最近は訳あり商品として店頭に並ぶことが増えました。こう言う訳あり食材ばかりを扱うECサイトもあり、食品ロスが1年で612万トンと言われる日本の食品ロス削減への取り組みへの意識は高まりつつあります。

乳牛用は食用に転換されない

野菜に訳あり食材があるように、実は食肉にも市場に出したくても出せないものがあります。濃厚なミルクで有名なジャージー牛やブラウンスイスですが、当然お乳が出るのはメス牛だけ。そのため、オス牛は生まれても価値がないものと、すぐに処分されることが多いのです。

ホルスタイン牛のオス牛は、身体も大きいので食肉用として肥育され、市場に出るのですが、乳用牛の肉は小さく規格が合わないので流通しないというわけ。

また、これらの肉は赤身肉で牧草肥育なので脂身も黄色く、白い脂身の霜降りがいいとされる日本の精肉の価値基準に合わず売れないのです。そのため子牛のうちに処分されることになります。

海外では、乳用牛と肉牛の区別はありますが、乳用牛としての役目を終えれば肉牛となり、乳用種のオス牛が産まれれば、肉牛として育てられ出荷されるので処分されることはありません。

しかし、日本の畜産は、酪農家と肉牛農家が分かれているので、育て方が違うためオス牛を育てることが難しく対応できないという現実もあります。とはいえ、ジャージー牛もブラウンスイスの肉も、実はおいしい! 特にジャージー牛は、肉にサシが入りやすく、和牛のおいしさの成分といわれる不飽和脂肪酸の量が多く、肉業界の間では味の評価がとても高いのです。つまり価値がないのではなく、その価値が知られていないのです。

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