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Sunday, May 15, 2022

秀逸キャッチコピー、頭の中が「肉」で満たされる 養老ミートの広告が話題 - 岐阜新聞

肉と季節や時事ネタを交えたキャッチコピーを掲載する養老ミートの広告

 「トリック・オア・ミート」「今夜の主役は、サンタクロースと牛ロース。」岐阜新聞のテレビ欄に時折、肉をテーマにしたフレーズが掲載される。食肉卸小売業の養老ミート(岐阜県養老郡養老町)の広告で、コピーライターが考えた力作のキャッチコピーが、番組表の間に挟まる形で載っている。広告の狙いを聞くと、企業ブランドの構築のほかに、新聞という紙媒体の特性を踏まえた工夫や、コピーライターの育成といった狙いが込められていた。

 田中芳典専務らによると、広告は2019年12月から毎月2回、金曜日付の紙面を中心に掲載。当初はセールを周知する内容だったが、「小さいスペースで情報を盛り込むのが難しかった。それなら、見た人の心に残るメッセージの方がいい」と考え、20年から路線を変更。季節の行事や時事ネタと肉を絡めたキャッチコピーを載せることにした。

 記事の冒頭で紹介した二つのキャッチコピーは、昨年のハロウィーンとクリスマスの時期に掲載した。他にも、節分では「鬼は外、肉は、牛。」、2月の北京冬季五輪は「食べる前から、メダル確定。」など、しゃれが利いたキャッチコピーが多く登場。デザイン会社が毎回提案する複数の候補から掲載するキャッチコピーを選んでいる田中専務は「店舗の来店客や社員から『面白かった』『次回も楽しみにしている』という声が届いている。『誰が文章を考えているのか』との同業者からの問い合わせもある」と、広告効果を実感する。

 広告の制作を引き受けているのは、ピースグラフィックス(名古屋市)。代表の平井秀和さんは養老ミートの広告について「新聞は時事ネタの宝庫。テレビで放送されるであろうスポーツ競技などとキャッチコピーを絡めやすい」と、新聞ならではのポイントを説明する。

 平井さんはキャッチコピーの考案を、若手コピーライター2人に依頼している。「最近のライターは他の業務に追われ、コピーを書く機会や時間が減っている」と平井さん。養老ミートの広告を「育成の場になっている」とし、「コピーを考えて採用してもらえるチャンスがあることに、ライターも感謝している。別のライターにも依頼の声をかけていければ」と話す。

 田中専務は「短い文章が持つ力の大きさを知ることができ、キャッチコピーこそが広告の原点だと感じている。これからもずっと掲載を続けたい」と語る。次回の掲載予定日は28日。今後もテレビ欄から目が離せない。

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