大阪ニュース
2022年4月18日
学生がプログラミングした道案内型ロボットを公共の場で稼働させ、機能向上に役立てる実証実験が松原市の複合商業施設「セブンパーク天美」で行われている。同施設と近隣の大学、IT企業の3者による産学連携の試みで、集めたデータを効果検証する。大学関係者は「実践が学びになっている」。施設側も「親しみにつながれば」と期待を寄せる。
店舗情報を紹介する「ソータ」 |
昨年11月にオープンした同施設を運営する「セブン&アイ・クリエイトリンク」(東京都)が、約500メートル先にキャンパスがある阪南大(同市)と地域活性化や人材育成を含む連携協定を結んでおり、取り組みはその一環。
発端は昨春、システム開発を手掛ける関西デジタルソフト(大阪市北区)の沖上俊昭会長(60)が教壇に立った経済学部の講義。人工知能(AI)についての考察を担当した。講義後、3年(当時2年)の福井駿希さん(21)と村上亮哉さん(20)が質問攻め。沖上会長に直訴し、インターンシップ(就業体験)でプログラミングを学ぶことになった。沖上会長は「(制度外で)単位にはならないが、夏休みの1カ月間、1日も休まず来てくれた。AIへの思いが強かった」とほほ笑む。
館内では2月下旬からコミュニケーションロボット「Sota(ソータ)」が稼働。通りがかった買い物客が足を止めて「お肉が食べたい」「トイレはどこ」などと話しかけている。
2人は150以上ある店舗や館内施設の情報を事前に入力。話しかけると画面上に店舗一覧のほかフロアガイドも表示される。音声認識については、読み取る言葉の範囲を広げながら試行錯誤した。村上さんは「雑音を拾ってしまったり、話しかけるタイミングが分かりづらいところもあった。改善の余地はたくさんある」と分析する。
今後、取得したデータから曜日や時間帯による違いや傾向、言葉同士の関連性を解析し、活用の最適化を目指す。福井さんは「まだまだサンプル数が足りないが、統計的な分析を使い、商業施設で最善のものを模索していきたい」と展望。得られた成果を論文にまとめる考えだ。
館内でのソータの設置は5月中旬頃までを予定している。
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「肉が食べたい」「トイレはどこ」 道案内ロボ活躍 - 日本海新聞
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