じっと宙を見つめちゃう。ここからダイヤが…?
空気からダイヤモンドが作れるんです!って言われたら、詐欺だと思いますよね。そりゃ思っちゃいますよ。でもね、実は本当にできるんです。実際に製造している企業もあり、地球に優しい新しいダイヤモンドとして注目の業界なんですって。
人工ダイヤモンドのスタートアップAether(エーテル)は、1800億ドル(約20兆8000億円)の資金調達に成功しています。売上詳細は明かされていないものの、すでに昨年からAetherの人工空気ダイヤモンドは出荷が始まっています。
人工空気ダイヤモンドの作り方
スカッスカの何もないところから、どうやってキラッキラで固いダイヤモンドを作りだすのか。正解は二酸化炭素。空気中の二酸化炭素だけをギュゥゥゥっと吸い取って炭素を抽出、ダイヤモンドの原石にするんですって。
炭素といえば、地球のために排出量を減らそうと、各国・各企業がカーボンフットプリントを気にするご時世です。が、この炭素を、ダイヤモンドを作ることで減らせるなら最高ですよ。まさにユニコーンのオナラで走る電気自動車みたいに夢のような話です。こんな素晴らしい方法があるなら、みんなやればいいよ! ダイヤちょうだいちょうだい! と思いますが、この製造方法にもネックはあっって…。かなりの高コストなんです。
コストを低く抑えることが目標
Aetherの目標としては、まず空気中から炭素を抜き取るプロセスのコストを下げることです。すでに、空気中から直接二酸化炭素を排除するスイスのベンチャー企業Climeworksとタッグを組んでおり、今後の展開には期待大。一方で、コストがそこまで下がらずとも、ダイヤモンドというラグジュアリー業界であれば、十分利益はでるという見方もあります。
Aetherいわく、空気から作る人工ダイヤモンドは天然石と遜色ないとのこと。むしろ、天然モノで人工空気ダイヤほど純度が高いものはかなりレアでそもそもかなり高価格なので、二酸化炭素を排除する技術開発しだいでは人工空気ダイヤには大きな可能性があるということに。
低エネルギーで生産可能
空気中の二酸化炭素を使ってダイヤを作ったとしても、製品化までの炭素排出量がそれを超えては地球に優しいダイヤとは言えません。この点もAetherは考慮しており、既存の人工ダイヤモンド業界と比較するとかなり少ないエネルギーで生産が可能とのこと。空気ダイヤの製造だけでなく、それを磨き宝石として商品化されるまで全プロセスでのエコを考えているそうです。ダイヤモンドの発掘、人工ダイヤモンド製造の地球に悪影響というイメージを変えていくのもAetherのチャレンジの1つ。
ちなみに、空気ダイヤモンド1カラットが売れるごとに、空気中から排除される二酸化炭素量は20トンだそう。アメリカでは1人の年間カーボンフットプリントが約16トンだそうで、単純計算なら1カラット売れればこれがなかったことになるわけで…。
空気ダイヤモンド、これは意識高いお金持ちのトレンドになるぞ。
訂正[2022/03/09]炭素と二酸化炭素の混同を訂正しました。
空気中の二酸化炭素が減量。いま注目される人工空気ダイヤモンド - GIZMODO JAPAN
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