トンガの海底火山が噴火してから29日で2週間、日本の沿岸で予想より高くなった津波のメカニズムは依然として謎が多く、研究が進められています。
こうした中、津波の専門家はシミュレーションの結果から、日本で観測された潮位の変化の大半が噴火による「空気の振動」で引き起こされていた可能性が高いと指摘しています。
津波のメカニズムに詳しい東北大学災害科学国際研究所、今村文彦教授の研究グループは、火山の近くで1メートル前後の津波が観測されていたことから、火砕流やカルデラの陥没など、噴火が直接的に引き起こした津波があったと仮定し、シミュレーションしました。
その結果、火山周辺の観測データとはほぼ一致したものの、日本の沿岸については第1波が到達する時間が実際より6時間前後も遅い結果となりました。
また、最大の潮位も2分の1から9分の1程度と大幅に低く、小笠原諸島の父島が実際の観測が90センチに対し30センチ、北海道根室市で60センチに対し20センチ。
岩手県大船渡市では30センチの観測値に対して15センチ、和歌山県串本町で90センチに対し10センチとなりました。
シミュレーション結果と、日本における「早さ」と「高さ」の差について今村教授は、噴火による空気の振動で気圧が変化したことによる潮位の変化を考慮すると説明できる可能性が高いとして、今後、さまざまな分野の専門家と協力し解析を進める必要があるとしています。
今村教授は「噴火による津波の頻度は低いが、今後も起きる可能性がある。複雑なメカニズムの知見をきちんと収集し、防災や避難に役立てたい」と話しています。
トンガ噴火 日本での潮位変化 “空気振動で引き起こされたか” - NHK NEWS WEB
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