大豆由来の植物肉の開発・生産を手掛ける食品ベンチャーのDAIZ(ダイズ、熊本市)は31日、日清食品ホールディングス(HD)と資本提携したと発表した。日清食品グループが植物肉ベンチャーに出資するのは初めて。環境負荷低減や新たな食の創造に向けて植物肉を共同開発し、植物由来の原材料だけを使った「カップヌードル」などの製品化を加速させる。
日清食品グループは環境への配慮から、温室効果ガス排出の少ない食材を使った製品開発に取り組んでいる。2021年には子会社の日清食品が、即席麺の具材に使う植物性タンパク質の国内使用量を30年までに年間1100トンに引き上げると発表。DAIZが持つ、大豆を発芽させてうま味や栄養価を増やす技術や、動物肉のような弾力や食感を再現するノウハウを評価し、約5億円を出資した。
カップヌードルは世界初のカップ麺として知られ、国内で年間1千億円を売り上げるほか、世界100カ国で販売されている。1971年の発売時から、豚肉と大豆由来の原料に野菜などを混ぜた「謎肉」と呼ばれる具材が入る。こうした食材でDAIZと開発した植物肉を使う可能性がある。新規事業の「完全栄養食」にも導入したい考えで、日清食品HDの安藤宏基社長は「DAIZの植物性タンパク質素材を積極的に活用していく」とコメントした。
DAIZは「消費者に身近な商品群と世界的な食品技術を持ち、海外でも知名度の高い日清食品グループとの提携で、当社の植物肉の可能性を引き出したい」としている。
DAIZは15年設立。同社の植物肉はハンバーガーチェーンや食品スーパーなどが相次いで採用。味の素や丸紅などとの資本提携も続き、資金調達額は日清食品HDを含めて60億円を超えた。(中原功一朗)
植物肉のDAIZ(熊本市)、日清と資本提携 植物由来のみ「カップヌードル」製品化加速|熊本日日新聞社 - 熊本日日新聞
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