感染力が高いとされる新型コロナウイルスの新変異株、オミクロン株をめぐっては、ホテルの廊下を挟んで「空気感染」した可能性が浮上した。「3密(密集、密閉、密接)」回避だけでは感染を十分に防げない恐れもある。政府は全外国人の入国を規制するなど水際対策を強化したが、流入に備えて一段と厳しい感染対策も準備しておく必要がありそうだ。 オミクロン株については、1人が何人にうつすかの指標である実効再生産数が南アフリカの一部地域で「2」程度だったとの報道もある。事実なら感染が爆発的に急拡大する懸念がある。 感染の方法もたちが悪い。香港衛生防護センター(CHP)は南アフリカから帰国した1例目の男性と、2例目の男性は検疫用のホテルで廊下を挟んで向かいの部屋に滞在していたことを明らかにした。1例目の男性がサージカルマスクを着用せずに部屋のドアを開けた際、廊下の空気の流れを通じて2例目の男性に感染した可能性があるという。 国立感染症研究所によると、27日時点で77例が確認された南アフリカでは、公共の場でのマスク着用、夜間の外出禁止、飲食店の時短営業、集会の人数制限なども実施されていたといい、従来の感染対策では不十分であることを示唆している。 東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「今までクラスターの発生した医療施設の中には換気を怠っていた施設もあった。3密回避はもとより、換気や空気の流れを意識することが重要だ。特に窓や換気設備の設置など建造物の構造的な課題に着目することも今後必要ではないか」との見方を示した。 香港の事例をみると、ホテルだけでなくオフィスビルや家庭内でも、直接、外気に通じない廊下(内廊下)が感染の盲点となるようだ。 電気通信大の石垣陽特任准教授(リスク情報学)は「廊下を換気するという概念がないために空気が滞留しやすく、前を通る人の呼気を後ろの人が吸い込むなど3密が時間差で発生しやすい。廊下に外気に通じる窓や外階段がある場合は定期的に換気し、ない場合は空気清浄機を設置するなどして廊下の空気を浄化することが重要だ」と語る。 職場や飲食店では3密を避けるため、距離の確保やアクリル板などの対策が常道だったが、正しい換気をしないと逆効果となるリスクもある。 石垣氏は「風下や換気扇付近などに人が集まれば汚れた空気を吸い込む危険性があるので、線香の煙などで空気の流れを確認しておきたい。感染力の高いウイルスの場合、従来は効果があった対策も見直すべきだろう」と指摘した。
「廊下が危ない」恐怖の空気感染 オミクロン株、急拡大 3密回避だけでは不十分 政府は水際対策強化よりも厳しい対策が必要に(夕刊フジ) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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