
日清食品の「カップヌードル」の中に入っているサイコロ状の「謎肉」。大豆由来の原料と豚肉などを混ぜ合わせた具材だが、ユニークなネーミングとして多くの消費者にも知られている。 こうした革新的なアイデアを形にしてきた日清食品が今、新たに挑戦しているのが「培養肉」だ。 食肉の生産・流通における莫大な環境負荷や気候変動への影響が問題視される中、研究室の中で作られる「サステナブルな肉」として、世界中で注目され、研究が進む。 日清食品ホールディングス(HD)と東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授との共同研究もその一つだ。 具体的には、牛から細胞を採取して培養液で増やし、私たちが食べるくらいの肉の塊にする研究だ。2025年3月までに100グラム(縦横7センチ、厚さ2センチ)の「培養ステーキ肉」を作るための基礎技術の確立を目指している。 実用化できれば「謎肉」以上の衝撃的な肉になるのは間違いない。 この研究に取り組むのが、日清食品HDグローバルイノベーション研究センターの古橋麻衣さんだ。
なぜ理系、食品メーカーに? きっかけは高校時代
古橋さんは名古屋大学大学院を修了後、2017年4月に日清食品HDに研究者として入社。その年には、培養肉のプロジェクトに抜擢された。 培養肉は冒頭で紹介した通り、食肉の環境負荷を低減してくれるイノベーションとして期待が高い。古橋さんは、培養肉の可能性を追求しながら、健康や栄養という食の根源的な部分にもこだわりがある。 「培養肉は実用化できれば、かなり面白い。おいしさや環境配慮に加えて、健康面や栄養面を強化したものができたら、さらに面白いのではないでしょうか。私の研究テーマだという思いを強く持っています」 そもそも古橋さんが理系に進んだのは、理科が好きだったこともあるが、高校で化学に興味を持ったことが影響した。クラスの担任が化学の教諭で、授業のはじめに教卓で実験をみせてくれるような人だったという。 では、なぜ食品の道に? それは高校の部活動での経験が大きく影響している。強豪校の陸上部に所属していたが、練習が厳しくて同級生がけがをする中、古橋さんはけがと無縁だった。 その違いを考えた時に、バランスの良い食事だと気づいた。古橋さんの家は親が毎日しっかり3食を作ってくれたので、自然と疲労の残りにくい体ができていた。日々の食事が体づくりに直結すると実感した。 「食」で世の中を変えられるーー。そう思い、大学で食品を学ぼうと決めた。
“謎肉”の日清食品が次に挑むのは「培養肉」。5年目社員が目指す高みとは?(ハフポスト日本版) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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