世界屈指の食肉消費国、中国。いま急速に普及しているのが植物由来の「人工肉」だ。背景には高まる健康志向に加え、米中対立や新型コロナも。世界の食料危機が迫る中、はたして14億人の食卓は変わるのか。(NNN中国総局 森本隼裕)
ハンバーガーも「人工肉」 中国企業が次々と進出
毎年、北京で開催される「ハンバーガー祭り」。今年登場したのは「人工肉」で作ったトリュフバーガーだ。14億人の胃袋を抱え、世界屈指の食肉消費国となった中国では今、大豆やエンドウ豆など植物由来の原料でつくる人工肉が急速に普及している。人口増加や地球温暖化などの影響で世界的な食料危機が懸念されるなか、その“救世主”としても注目される人工肉だが、中国で大小さまざまな企業が研究開発を進めている。
味・色・においも…すべて植物由来の「人工肉」
「人工肉」のハンバーガーを販売したのは、2019年創業の「ジェンミート(珍肉)」。北京の本社を訪ねると呂中茗CEOが取材に応じてくれた。同社は人工肉の研究開発で急成長したフードテック企業で、業界をリードする企業の一つ。私たちに見せてくれた新商品は、団子にギョーザにチキンナゲット…見慣れたものばかりだが、全て人工肉でつくったという。 ジェンミート 呂中茗CEO 「100% 非遺伝子組み換え大豆を原料にした人工肉(植物肉)です。タンパク質は全て良質な植物性で、動物性の成分は一切入っていません。色、香り、味すべて植物由来の原料を組み合わせたものです」 呂CEOは「本物の肉に近い味や食感を再現するため、約10年にわたる研究の蓄積がある」と自信をみせる。中国で人工肉の開発が急ピッチで進む背景には、消費者の間で高まる健康志向に加え、米中対立や新型コロナなどの影響により、肉の供給が不足することへの危機感もある。さらに、習近平指導部が2060年までの「脱炭素化」を目標にする中、家畜を必要としない人工肉は温室効果ガスの排出量削減にもつながり、呂CEOも「国の脱炭素目標に大きく貢献できる」と強調していた。
ギョーザにハンバーガーも…中国で広がる人工肉 食料危機の切り札になるのか(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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