なんで地球の空気は宇宙に逃げないの？｜読むらじる。｜NHKラジオ らじる らじる - nhk.or.jp

なんで地球の空気は宇宙に逃げないの？

21/11/21まで

子ども科学電話相談

放送日：2021/09/26

#子ども科学電話相談#サイエンス#天文・宇宙#SDGs

11時台を聴く
21/11/21まで

あきたちからくん(年長・滋賀県)からの質問に、「天文・宇宙」の本間希樹先生が答えます。(司会・石井かおるアナウンサー)

【出演者】
本間先生：本間希樹先生(国立天文台教授 水沢VLBI観測所 所長)
ちからくん：質問者

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――お名前を教えてください。

ちからくん：	ちからです。

――ちからくんは、どんなことを聞きたいですか？

ちからくん：	なんで地球の空気が宇宙に逃げないんですか？

――どうしてそれを不思議に思いましたか？

ちからくん：	……

――ああ、じゃあ、本間先生に聞いてみますね。お願いします。

本間先生：	ちからくん、こんにちはー。
ちからくん：	こんにちはー。
本間先生：	「地球の空気は宇宙に逃げていかないのかな？」って、疑問に思ったんだね。
ちからくん：	うん。
本間先生：	「空気が逃げていって、なくなっちゃわないかなあ」という心配をしたのかな？　どうだろう。別に心配したわけじゃない？
ちからくん：	うん。
本間先生：	素朴に、「逃げないのかなと思った」、そういうことかな。答えを言うとね、逃げていくんです。逃げていってるの、実際に、地球の空気。でも、全部は逃げてない。
ちからくん：	うん。
本間先生：	だから今、ちからくんは地球に住んでいて、空気を吸って暮らしているじゃないですか。
ちからくん：	うん。
本間先生：	だから空気、あるよね。
ちからくん：	うん。
本間先生：	あるっていうことは、逃げずに残っているんだけど、でも、逃げていく空気もあります。なんかちょっとはっきりしない答えになっちゃうんだけど、なぜ逃げるものと逃げないものがあるか、説明するね。いいかな？
ちからくん：	うん。
本間先生：	逃げていかない理由は、地球が空気を引っ張っているからなんです。
ちからくん：	ん？
本間先生：	地球が引っ張っている。「重力」っていう難しいことばがあるんですけど、例えば、公園に行ってジャンプしたりしたこと、ある？
ちからくん：	うん。
本間先生：	ジャンプすると、落ちてくるよね？
ちからくん：	うん。
本間先生：	なんで落ちるかっていうと、地球が引っ張ってるの、ちからくんのこと。知ってた？
ちからくん：	……うん。
本間先生：	ボールとか投げたこと、ありますか？
ちからくん：	うん。
本間先生：	上に向かって投げると落ちてくるでしょう？　あれも、地球が引っ張っているんです。地球が引っ張っているから、ボールが落ちてくる。ここまでいいかな？
ちからくん：	うん。
本間先生：	空気もね、ボールとはちょっと違うんだけど、もっと小さな粒でできていて、その粒も地球に引っ張られている。だから、空気の粒が宇宙に飛び出そうと思っても、基本的には地球が引っ張るので、地球からなかなか逃げていかない。それで今、僕たちが住んでいる地球には、ちゃんと空気が残っています。ここまでいいかな？
ちからくん：	うん。
本間先生：	でもさっき、「逃げていく空気もあるんだよ」という話をしたんですけど、ちょっと難しくなっちゃうけど、空気にも、軽いものと重いものがあるんです。重さが違う。軽い空気というのは地球から逃げやすいので、出ていっちゃうの。軽い空気って……ちからくん、遊園地なんかで風船売ってるの、見たことあるかな？
ちからくん：	うううん。
本間先生：	見たことないかな。今度どこかで見てほしいんだけど、ひもで引っ張ってないと勝手に上に飛んでいくような、手を離すと空高く飛んでいっちゃうような風船があるんですけど、ああいう風船には軽い空気が入っています。難しいことばで「ヘリウム」っていうんだけど、そういう軽い空気は比較的逃げやすいので、地球から出ていっちゃうんです。
ちからくん：	うん。
本間先生：	だから、ちからくんの「空気は宇宙に逃げていかないのか」という質問に戻ると、逃げていくものと逃げていかないものがあって、逃げていかない空気が、今僕たちが吸っている空気になります。どうだろう、わかったかな？
ちからくん：	わかった。
本間先生：	ああ、うん！　実はこれは大変重要な質問で、今僕たちの地球の空気がどうしてこうなっているのかっていうのは、逃げていくか逃げていかないかということに非常に密接に関係しているんです。

――ちからくん、すごく大切なことに気がつきましたね。

ちからくん：	うん。

――ちからくんは、空を見たり宇宙のことを考えたりするのは好きですか？

ちからくん：	うん。

――どういうところが好きですか？

ちからくん：	……

――難しいかな。「空気が宇宙に逃げてしまわないかな？」って思ったのは、何かきっかけがあったのかな？

ちからくん：	うん……。宇宙は、空気がないって言われたから、不思議に思った。

――ああ！　そうなんですねえ。

本間先生：	ちからくん、そうだよね。宇宙は空気がないし、もしかしたら聞いたことがあるかもしれないけど、月とかに行っても空気がないんだよね。地球は空気があって、なんで月には空気がないかというと、それはさっき言った、引っ張る力、それが違うからなんです。月のほうが地球よりちょっと軽いので、空気が逃げないように、とどめておくように引っ張る力が足りないので、空気がなくなっちゃった。地球は十分に引っ張る力があったので、少しは逃げていったけど、今も残っているものがある。そういうことなんです。
ちからくん：	うん。

――先生、軽い空気は宇宙に逃げていくということですけれども、逃げていった空気はどうなるのですか？

本間先生：	宇宙のどこかにもちろんあるんですけど、宇宙は広くて、ばらばらちりぢりになっちゃいますので、どこに行ったかはわからないです。基本的には、宇宙に少しぐらい地球から空気がこぼれても、ほとんど真空ということには変わりがないですね。

――ちからくん、わかりましたか？

ちからくん：	うん。

――また「どうしてかなあ」っていうことが出てきたら、質問してくださいね。

ちからくん：	はーい。

――ありがとうございました。さよなら～。

ちからくん：	ありがとうございました。さよなら～。
本間先生：	ちからくん、質問送ってくれてありがとうございました。さよなら～。

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【放送】
2021/09/26　子ども科学電話相談　「天文・宇宙」　本間希樹先生(国立天文台教授 水沢VLBI観測所 所長)

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