
コロナ禍が長期化する中、東海地方の企業が感染対策製品を相次いで発売している。個人で使える小型の空気清浄機や、抗ウイルス性の建材のほか、AI(人工知能)やソフトウェアの技術を生かして開発を進めるベンチャー企業もある。(牧志朝英、佐野寛貴)
■飛沫吸引 ブラザー工業は7月、小型空気清浄機「DF―2」(税抜き1万5800円)を発売した。自宅やオフィスなどで
プリンター技術を生かした両端のファンで吸引力を高め、空気中の飛沫を前後と上方の3方向から吸引する。高性能フィルターが最小0・3マイクロ・メートルの微粒子をほぼ100%除去する。550グラムと軽量で、持ち運びも簡単だ。
今年3月まで、カラオケ店やスナックに先代機を限定販売したところ、4000台を完売する反響があった。DF―2は静音性を高めるなど機能を向上させた。
豊田合成も、筒状の小型空気清浄機「UVCパーソナル空間除菌脱臭装置」(税込み5980円)を発売した。同社が開発した新型コロナウイルスを不活化させる「深紫外線」を出すLED(発光ダイオード)を積んでいる。
直径9センチ、高さ15・5センチで、重さ250グラムしかない。パソコンなどのUSBケーブルに接続すれば動く。中段から空気を吸い込み、フィルターで捉えたウイルスや細菌に深紫外線を照射する。臭い成分を分解できる機能もある。
8畳分の空間除菌が可能な装置を販売していたが、ユーザーの声を受けて小型化タイプも開発した。
■性能両立 建材メーカーのアイカ工業は、抗ウイルス・抗菌性と脱臭性能を両立させた新しい建材「ウイルテクトPlus」を発売した。
これまで抗ウイルス・抗菌の製品と、消臭性能のある製品は別々になっていた。コロナ禍により、消臭性能を諦めて抗ウイルス性を優先するユーザーが増えたため、新たな建材を開発した。
新製品は、試験機関で99%以上の抗菌・抗ウイルス効果が確認された。硫化水素やアンモニアなどの物質を吸収して臭いも減らせるという。
医療機関や公共施設、オフィスだけでなく個人の住宅での使用を想定している。12月からはトイレブースやカウンターなどの加工品にも導入する計画だ。年間15億円の売り上げを見込む。
名古屋市中区の「オプト フィット」は、フィットネスクラブ利用者のマシン使用状況を追跡できるシステム「GYMDX」を開発中だ。AIを活用し、混雑回避や、感染者が出た際の濃厚接触者の把握に役立つと期待される。
今年から複数施設で試験導入されており、来年から本格販売を予定する。渡辺昂希社長は「安心してジムを利用するための機能を充実させたい」と述べた。
西区の「RTプロジェクト」は、建設現場の情報共有を支援するアプリ「GENCHO(ゲンチョー)」を昨年10月に発売した。指示や寸法などを書き込んだ現場写真を共有できる。
現場調査の回数が減り、着工までの期間が3割ほど短縮できた事例もあった。城山朝春社長は「動画や3Dデータの共有なども可能にしたい」と意気込む。
リモートワークの推進が課題となっている製造現場向けには、トランスミット(中村区)が工程管理のシステム「モニット」を開発中だ。機械の稼働状況や図面、発注書などをアプリで一括して確認できる。来年秋のリリースを目指しており、実川大海社長は「『回避できる接触は避けよう』という意識が、製造現場でも高まっている」と話す。
感染対策グッズひと工夫 空気清浄機ミニ 抗菌建材脱臭も - 読売新聞
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