東京・六本木の国立新美術館で開催中の企画展「ファッション イン ジャパン 1945―2020 流行と社会」では、有名デザイナーによる貴重な展示物はもちろん、ファッションを楽しむ来場者の装いも興味深い。日本の洋装文化の歴史や流行を踏まえながら、今を感じることができるからだ。(生活部 梶彩夏)
大きなパールのネックレスをしていた神奈川県秦野市の男子専門学校生(24)は、アフリカンプリントのパンツの上にメッシュのスカートをはく。「レディースの服はかわいい。ファッションに性別は関係ない。着たいものを着ている」
ネクタイが好きだというカップルは、お互いの服を貸し借りしながら装いを楽しんでいる。黒を軸にした女子高校生は、ユニセックスを意識してコーディネートを考えたという。
古着を着ている若者も多かった。友人と来場した東京都小金井市の女子専門学校生(19)は古着店で買ったユニークな柄のワンピースがお気に入り。川崎市の女子専門学校生(23)は、白地に赤のイチゴ柄が映える短いワンピースの上に、祖母からもらった白いブラウスを着ていた。「古着は他の人とかぶらない一点物なのがいい」
コロナ下、マスクも重要なファッションアイテムだ。東京都調布市の女子大学生(19)はプリーツスカートやリブニット、靴に合わせ、マスクも黒で統一。東京都内の自営業女性(39)は、マスクに透明のビーズなどによる手作りのチェーンをつけ、涼しげな様子を演出した。
性差にとらわれないジェンダーレス、ダイバーシティー(多様性)、サステナビリティー(持続可能性)。来場者の装いから感じたキーワードだ。「自分らしく自由に」。それが今の流行なのだろう。
企画展は9月6日まで。午前10時~午後6時(金・土曜は午後8時まで)、火曜休館。問い合わせは、ハローダイヤル(03・5777・8600)へ。
来場者が映す今の空気、ジェンダーレス・サステナビリティー・多様性 - 読売新聞
Read More
No comments:
Post a Comment