北日本放送
豚熱・いわゆる豚コレラの感染拡大で流通が止まっていた食用のイノシシ肉の出荷が、県内で先月から可能になりました。加工業者は、需要が回復するか先行きに不安を感じながら、流通の取り組みを進めています。伊林記者がお伝えします。 新川地区獣肉生産組合 野村春幸理事長 「いい毛並みやわー。いい毛並み」 イノシシ肉の加工施設を運営する組合の理事長、野村春幸さんです。 先月下旬、魚津市の山あいに設置したわなにイノシシがかかったと連絡をうけ、現場へ向かいました。イノシシは、体重50キロほどと十分な大きさで、野村さんは安どしました。施設には、肉の在庫がほとんどなかったためです。 「1年半ほどまえにはどれくらい入っていたんですか」 野村さん 「ほとんど全部です」 黒部市にある加工施設は、農作物に被害を与えるイノシシの捕獲強化に合わせて肉の活用を図ろうと、おととし2月、周辺自治体などの支援を受けて整備されました。 2019度には、220頭あまりを処理しました。しかし、全国に拡大した「豚熱」は、野生のイノシシにも感染。おととし7月に県内で初確認されてからは、イノシシ肉の出荷自粛範囲が広がり、昨年度は県内での処理はありませんでした。 黒部の施設でも、去年4月頃から処理を自粛し、それ以降は、在庫の肉を使ったレトルトカレーの販売などに取り組みましたが、先行きが見えない状況が続きました。 野村さん 「いつになったら食肉にできるか、悩み事が、1年間…1年半続きました」 県内のイノシシでは去年10月を最後に陽性は見つかっておらず、県はことし6月には、肉の流通再開を可能としました。 しかし出荷には血液検査が必要となったほか、陰性と分かるまでの一時保管や、イノシシ同士が接触しないよう一頭ごとの包装など、これまで以上に厳しい管理が求められるようになりました。 また、在庫の確保も急務です。施設は先月1日から出荷再開への体制を整えましたが、思うようなイノシシが捕獲できず、納品できるまで3週間以上かかりました。 「自分でこの品物は大丈夫ですという責任感がないと皆さんに提供できないというのが現状」 先月末の時点で、県内で再出荷の承認を得たのは、2つの加工施設に留まっています。 県農村振興課 松本紘明班長 「豚熱自体は人体に影響がないものですから、そこの安心という意味ではPRしていく、食のイベントであるとか、レストランと協力してジビエを召し上がっていただける機会を作ることが重要だなと思っています。関係するかたの思いを受け止めながら支援させていただきたい」 野村さんは、イノシシ肉を使った新たな商品の開発を進めるなどしていますが、以前の需要が戻るか不安は残ります。 野村さん 「まず食べてもらわないと口の中に入れてもらわないと。(施設の)電気消すわけにはいかないのでできればずっと続けていきたい」
イノシシ肉流通 手探りの再開(北日本放送) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
Read More
No comments:
Post a Comment