交流会で空回り…心配された過去
ゆめのさんにとって、悩ましい事の一つが、空気の「読み合い」。臨機応変に話そうと頑張るあまり、疲れ果ててしまうのです。過去に参加した、漫画家同士の交流会でも、考えすぎる癖がわざわいしてしまいました。 テーブルを囲む出席者たちを前に、ゆめのさんはひそかに危機感を募らせます。「『いい感じの雑談しなきゃいけない』空気が流れてる!」 こうなると、大変です。何とか乗り切ろうという気持ち以外、何も心に浮かびません。内心焦りつつ、中身のない話を続けます。「……なんか挙動不審になってるよ? 大丈夫」と、他の出席者から心配される始末です。 他人と仲良くなりたいだけなのに、なぜかいたたまれなくなる。ゆめのさんは、そんな経験を重ねてきました。学校でも、アルバイト先でも、既にできあがった人間関係に、自然になじむことができなかったのです。 そして理由を探るうち、「もう同じような状況に陥りたくない」という、自己保身への欲求が根っこにあると思い至ります。その場しのぎの、空疎な会話を繰り返す一方、コミュニケーションを本質的に楽しめていないと気付いたのでした。
「つらくても耐える」知人の厳しい言葉
他の人なら、この問題についてどう感じるだろう? 疑問に思ったゆめのさんは、知人に尋ねてみることにしました。 一人目は、人当たりが良くて社交的な男性です。うまく切り抜けてきたのかな、と予想していると、意外な答えが返ってきました。 「苦労してますねー。学生時代のバイトでは、空気読めず、同僚同士の会話にほとんど混じれず」 「飲み会ではしゃべりすぎて、先輩に『空気読め』って怒られたり……」 コミュニケーション能力があって、難なく立ち回れているように見えても、実は自分と似た苦労をしている……。ゆめのさんは、新鮮な驚きを覚えます。更に、しっかり者の女性に話を聞くと、厳しい言葉を投げかけられました。 「つらくなることもあるけど、我慢して耐えてる」 「空気読んで人に合わせて行動する、それが世の中のルール。いちいち悩んで苦しんでたら、生きていけないよ」 時に息苦しさを感じても、他人の心情を思いやりながら、誰もが日々生きている。そんな当たり前の事実を、改めて自覚したゆめのさん。アイスをほおばりながら、「できることからがんばろう」と、自分を奮い立たせるのでした。
「挙動不審になってるよ?」漫画家が悩み続ける〝空気読み〟の闘い「いい感じ」に雑談できない本当の理由(withnews) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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