人気ロックバンドのボーカルから、いまや多彩な役で引っ張りだこの俳優。渡辺大知が目指すのは、「空気を提示する」ことなのだという。音楽にも演技にも、そして「一番大事にしている」という日常生活にもつながる「表現」とは。
――主演中のドラマ「イタイケに恋して」(日テレ系、読売テレビ制作、木曜夜11時59分)で演じる影山信博は、売れないシンガー・ソングライターの一方、ネットでは素顔を隠したビジュアル系ボーカルとして活動するキャラクターです。ご自身はロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルとして活躍されましたが、歌う場面で役柄と重なる部分があるだとか、共通点のようなものはあるのでしょうか。
役として歌うのは、与えられた役のセリフをしゃべるのと全く同じです。その人がどう考えてセリフを言うのかを想像するように、どういう気持ちでこの歌を歌っているんだろうとか、なんでこの場で歌うことを選んだんだろうと考えます。もちろん、自分が音楽を選んだ人間として、音楽をやっている空気みたいなものが染みついているということはあるとは思いますが、自分の好きな音楽をこの役で出すわけではない。歌うときだけ、自分になったりは絶対しないです。
台本を読んでいて、(影山が)なんでこう言うんだろうとわからないところもあれば、共感するところもある。きっとこの人ならこう言うんだろうなと想像し、その間を埋めるのが僕の体。うまくうそをつく、というか、本当にその人がそこにいるように見せられたら、ステキなうそだと思っています。
――ミュージシャンとしてと俳優としての表現活動は、渡辺さんにとって全く違うものなのでしょうか。
細かく見ればたくさん違うことはあるんですけど、引いて見ると同じことをやっているという気がしています。音楽、バンドで曲をつくって自分で演奏するのは、自分らしさのようなものを形にして自分の中から表出していくような作業。演技はどちらかというと、自分というのを捨てていこうという作業というか。自分を捨てようとすればするほど、自分というものが出てしまっている部分があると思うのですが、そのどうしても出ちゃう部分が、表現につながっていくのかな、なんて思ったりはします。
根本は、僕は、魅力的な空気を提示できる人になりたいというのがあります。空気感というか、流れている風とか、漂っているにおいですかね。人間の鼓動感というか、生身の人間が息をして脈打っている感じというものを形にしたいというふうに思っていて、そういうことで言うと、音楽も映像も、わりと同じようなことができうる。同じように時間を使う作業というか。時間の変化、に興味があり、流れている時間というものを表現したい。
生活、そのずっと先に表現
――「表現活動」以外の日常生活でも、変化を意識しているのですか。
そうです。一番大事なのは…
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渡辺大知と表現「空気を提示できる人に」「生活が大事」 - 朝日新聞デジタル
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