2021年7月6日 午前11時30分
夏本番を前に、福井県内でも家庭用エアコン商戦が熱気を帯びてきた。2020年度は17年ぶりにシェア首位を奪還したダイキン工業が、冷房と同時に換気もできる独自技術を売りに好調を維持。2位のパナソニックは、イオンを用いた空気清浄技術を武器に挽回を期す。新型コロナウイルス流行で「空気の質」への関心が高まる中、メーカー各社のシェア争いも激化している。
家電量販店の「100満ボルト福井本店」(福井県福井市)では、新型コロナ感染拡大を背景に、自動掃除エアコンや換気機能付き商品など「清潔さ」を打ち出した商品が売れ筋に。室内の空気を効率的に循環させるサーキュレーターも人気で、売り場を拡大して対応している。売り場担当者は「換気による室温の上昇を抑えるには、部屋よりワンサイズ大きな商品がお薦め」と話している。
ダイキンは、冷暖房中に室外機から外気を取り込み、室内の空気を入れ替える機能がコロナ禍でヒット。20年度の国内シェアは18・7%となり、パナソニックを逆転した。今季も勢いは衰えず、同機能を備えた最上位機種「うるさらX」の販売は前年の1・5倍のペースで推移。量販機種にもこの換気機能を搭載し、品ぞろえを強化した。
十河政則社長は「ライバルとの戦いは厳しくなるが、向こう5年間でシェアを20%以上に高めたい」と鼻息が荒い。
対するパナソニックの「エオリア」は、除菌や防カビ効果のある「ナノイーX」技術をほぼ全機種に搭載。最上位モデルには、排熱のエネルギーを活用して冷房運転を安定させ、電力消費も抑える新機能を加えた。担当者は「健康で快適な空気と省エネを両立できる」とアピールする。
三菱電機の「霧ケ峰」は、換気のタイミングを人工知能(AI)が知らせる機能が特長。日立ジョンソンコントロールズ空調の「白くまくん」は、エアコン内部を一時的に凍らせて汚れを落とし、空気を清潔に保つ。
業界団体によると、20年度の家庭用エアコン出荷台数は、在宅時間の増加などを背景に初めて1千万台を突破した。猛暑が予想される21年度も前年水準を上回って推移しており、商機をつかもうと各社が激しい販売合戦を繰り広げている。
エアコン売れ筋は自動掃除や換気機能付き コロナ下「空気清浄」の新技術続々 - 福井新聞
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