漁だけでなく出荷や買い付けも行っている平工さんは魚の目利きでもある。漁師体験の後は、彼のお眼鏡に叶った魚を食べさせるイタリア料理店「ラルカンダ」でのランチが待っていた。「ラルカンダ」は、木材倉庫をリノベーションした商業施 設「アンドン」の中に2019年オープン。イタリア人シェフのルカさん、パートナー でパティシエのトモヨさんが切り盛りするコージーなレストランだ。ルカさんは世界中で腕を磨いた後、14年から岐阜市内のレストランで働いた経験があり、岐阜の食文化への理解も深い。そんな彼が生み出す「長良川の恵みコース」は、まさにこ の地の恵みとイタリアの郷土料理が見事に融合したもの。モクズカニや天然鮎の魅力を存分に引き出した皿の数々は、ここ長良川でしか味わえない、吸引力のある旅 のコンテンツのひとつとして数えられるだろう。
今回の旅では、ヘルスケアをキーワードに、長良川エリアの魅力を伝えるというプロジェクトの趣旨に沿って、ここで長く商いを続けるホテルや料亭などと手を携え、地元の食材を使った健康的な食事が提供された。薬膳を取り入れた「ホテルパ ーク」でのディナー、宮内庁式部職としての鵜匠の家系ならではの一品である野鴨を供した「すぎ山」、美肌をテーマにした「十八楼」のオリジナルコースなど、それぞれが工夫を凝らしたメニューでゲストを楽しませた。
また、アクティビティの合間には「癒しのヘルスケアプログラム」を実施。メディカルサロンM岐阜漢方センターの野崎利晃先生を中心に、鍼伮師や薬剤師など、ホリスティックな医療従事者によるヘルスプログラムが提案された。ゲストひとり一 人の体調や体質をカウンセリングしたのち、鍼、伮、マッサージなどを施すプログラムの他、日程初日と3日目には野崎先生による講演が行われ、朝食の際には各 ゲストのその日の体調に合わせた漢方スープを提供。講演では東洋医学の中心となる陰陽五行説に基づいた、自身の身体や健康への向き合い方を指南してくれた。
日程3日目に開催された『川の湊市~River Port Market』は、今回の企画の参加者だけでなく、地元の人々にとっても改めて長良川エリアの魅力に気づく機会となった。近辺で人気の菓子店やコーヒーショップ、雑貨店などが川の両岸に出店したマーケットは、ほぼ宣伝をしなかったにも関わらず大勢の人々で賑わい、両岸を 繋ぐ一日限りの渡し舟は終日列が途切れない盛況ぶりだった。
コロナ禍以前から少しずつ見られた、日本の地方を再生しようという機運は、コロナによって大きく変わった価値観やライフスタイルに寄り添うように加速してい る。「長良川クアパークリゾート」は、観光客の誘致を目的としながら、いかに健やかに、なにを大切に生きていくべきか、新しい人生の形を提示してくれる事業でもある。
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