問題はこのように残忍な動物虐待に基づいたこのような文明生活が果たして人間に幸せな暮らしを保障するのか、そしてさらには、いつまで持続可能かということだ。(キム・ジョンチョル『近代文明から生態文明へ』)
遅い寒さと早い暑さが繰り返されるうちに、雨季のような梅雨が始まった。湿度が上がるので、イライラ指数も上がる。イライラは意外な所で絶頂に達する。まさに家だ。都市では層間騒音が問題なら、農村には畜産悪臭が問題だ。層間騒音がアパートの構造的問題であるように、畜産悪臭も畜産業の構造的問題だ。動物がすし詰めになっている工場式畜舎では、悪臭が出ざるをえない。全て安価な肉のためだ。慣れるかもしれないが、この避ける術のない悪臭で生活の質が下がる。
安価な肉を作るシステムは悪臭だけが問題なのではない。飼料の作物を育てるのに使われる化学肥料が海を殺し、地下水は枯渇している。動物用医薬品で抗生剤に耐性をもつバクテリアが生まれ、動物感染症は新型コロナウイルスのような人獣共通の感染症を起こす時限爆弾だ。動物と人間の健康は結びついている。
不幸にも問題はもっとある。頻繁に生じる台風、長くなった梅雨、猛暑などの予測不可能な気候で食糧の安全が不安になった。不足すれば輸入すればいいと考えるが、世界の状況も容易ではない。食糧難による紛争が増えており、気候難民が紛争難民の数字を超えた。気候変動は、層間騒音の程度ではなく「家が燃えて」いるのだ。国連食糧農業機関(FAO)が全世界の温室効果ガスの17%が畜産業から発生すると発表した。肉食が問題なのではなく「過度な」肉食が問題だ。過度な肉食が可能なのは工場式畜産のおかげだ。「神聖さ」の感覚を取り戻さない限り、私たちは地球の火を消すことができないだろう。
安価な肉が地球を燃やす - 東亜日報
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