世界で認知されている日本の“WAGYU”。だが世界では、和牛と他品種とかけあわせた混合牛が“和牛”として、日本産のものより多く出回っている。 【画像】雪の中で熟成された至高の和牛 ゆえに、日本産の純正和牛の価値はさらに高まりつつある。そのなかでも米メディアが「至高」と称する一品とは……。
“和牛”だらけの世界で「真の和牛」が求められる
少し前まで、「和牛=最高級牛肉」というイメージがあった。 しかしいまでは、ネットフリックス上にある動画コンテンツ数と同じくらい、世界中でさまざまな和牛が販売されている。そのため、細心の注意をはらって飼育された4品種の日本産和牛のうち、1種からのみ得られる甘美な和牛への需要が高まっている。 2020年、アメリカは約3900万ドル(約42億円)もの和牛を輸入しており、前年比は136%増となった。日本食品海外プロモーションセンターによると、ステーキのみならず生食やラーメン、ピザのトッピングなどに和牛を用いる各国のシェフたちの影響で、この数字は増加し続ける見込みだという。 アメリカに輸出される最新和牛のなかでもっとも高級なのが、雪の中で熟成させた「雪室熟成和牛®︎」である。 この貴重な和牛は、雪で覆われた貯蔵庫「雪室(ゆきむろ)」の中で30日間熟成される。不具合が生じることもある工場の冷却システムとは違って、雪室熟成和牛は、自然に近い状態かつ適度な湿気もある極寒の環境下で熟成される。すると、肉の繊維が酵素で壊れ、柔らかくなるのだ。
ニューヨークの一流シェフも舌鼓
雪室熟成和牛は、2019年末にアメリカに上陸。生産者は、2012年にこの和牛の開発に着手した宇尾野隆、ただ一人だ(註:2021年3月時点)。 いま、雪室熟成和牛の人気が上昇している。2015年、宇尾野の経営する株式会社ウオショクでは、雪室熟成和牛の売り上げ量は1万3800ポンド(約626キロ)をわずかに上回る程度だったが、2019年には約2万9000ポンド(約1315キロ)にまで跳ね上がった。じっくり熟成させるからこそ、価格も高い。 アメリカでは、この和牛の骨抜きサーロインステーキは約450グラムで300ドル(約3万3000円)という金額だ。ニューヨークのレストラン「デルモニコス」では、パンデミック前にもっとも高価だったステーキは、4オンス(約113グラム)のリブ・アイで180ドルほどだったと、元シェフ長ビリー・オリーヴァは言う(「これが実によく売れた」そうだ)。 オリーヴァは、ニューヨーク郊外のハドソン・ナショナル・ゴルフクラブにまもなくオープンする自身のレストランで、この和牛ステーキをふるまう予定だ。使用する牛肉は、なまぐさい風味の原因になりうる乾燥熟成ではなく、湿度の高い環境を通して熟成されるので、風味が繊細で舌ざわりが滑らかになる。 それに、脂肪分の多い肉は口の中がベタベタして不快になるものだが、ニューヨークのベンノ・レストランのシェフ兼オーナーであるジョナサン・ベンノは、雪室で熟成した和牛をこう称する。 一切れ食べれば、「甘みと牛肉の旨味が口いっぱいに広がります。人生で一度は体験してほしいほど、絶妙に柔らかいです」
Kate Krader
米誌が絶賛「雪の中で熟成させた和牛を人生で一度は体験してほしい」(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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